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"International AM"
100yen AM Radio Receiver

    Finally - a complete pocket radio for 100 yen!



とうとう完全なポケットラジオが100円!

    ダイソー100円ラジオ は衝撃的でしたが、しかしイヤホンで聞くタイプ。 イヤホン込みでは200円ラジオでした。 ところがすごいなダイソー、今度はとうとう完全なポケットラジオが100円だ!! 別のカラーのモデルもあったのかもしれませんが、早くに売れてしまったのでしょう、 店頭にあったのはなんとも強烈な光を放つ赤いモデルでした。 100円なら内蔵スピーカを取り出すだけでもペイします。 なので2つ買ってきました。

    インレイに入った"INTERNATIONAL AM"の文字以外、バックパネル等にメーカー名やモデル名はなく、 また明らかにMade in Chinaですがそれを示す表示もありません。 中国のメーカーの中でもかなり経営の不安定な、家庭内手工業的なメーカー製なのかもしれません。 ポケットトランジスタラジオとしてはやや大柄で厚みのあるプラスチックボディのスタイルはひどく古風で、 しかしレトロビューティという雰囲気には及ばず、ただチープな印象があるのみ。 赤というより朱色の、あの国ならではの色合いのモデルは、その全身から独特のオーラを放っています。

    チューニングはバリコン直結のホイールによるもので、 ダイヤルインレイの周波数表示は"KC"と入っています。 む、中国では最近までキロサイクル表示だったのだろうか? ケース底部のスリットにコインを差し込んでひねりリアカバーを開けると、 これまたチープなつくりの、しかし見慣れた、典型的なトランジスタラジオのコンポーネントが見えます。 単3乾電池を2本、独立した電池ケースに入れ、ケースを閉め、 スイッチ付きボリュームを回し、チューニングホイールを回すと、NHKラジオもTBSラジオも大きな音で聞こえてきました。 この手のトランジスタラジオとしてかくあるべく、しっかりきちんと鳴ります。 おお、案外にいい感じじゃないか。 すごいぞ、100円ラジオ。

2005-12-29
International AM


購入動機を満たす

    Maxitronix 500-in-One のスピーカの音が悪く交換を思い立ち、代わりのスピーカをさがした時、手近にあったのがこのラジオでした。 100円の部品取り品として買って、その出番がやってきたというわけです。 でもねえ、このラジオはものすごくチープな造りとはいえ、元気に鳴っているんだよね。 心を鬼にしてスピーカを取り外し、EL500に移植しました。

2006-03-26 1号機のスピーカをEL500に移植

    はじめてラジオを組み立ててから35年がとこ経っていますが、 実は私はトランジスタスーパーヘテロダインラジオをスクラッチから組み上げたことはないのです。 メーカー製キットで6石スーパーを組み立てたのは中学の技術家庭科の課題での1回だけ。 Heathkit GR-64 のページでもちょっとだけ書きましたが、思い出すだにいまだ悔しい、おそらく一生残る心の傷跡があるのです。
    そのころすでに電子工作キットを組み立てるのはお手のものになっていました。 オマエは勝手に先に組み立ててろと先生に言われ、ちゃっちゃと組み上げたまではよかったのですが、 実際にやったこともないくせにIFTのコアとバリコンのトリマをいじったのがいけなかった。 どうやっても調整を取り戻すことができず、音は弱々しく、異常発振しがち。 そのうちほかの生徒で組みあがった者が出てきて、朗々と鳴るラジオを高々と掲げて本当にうれしそうな顔をしているのを横目に、 私はどん底に落ちた気分でいました。

    そんなわけで、6石スーパーなどは所詮トイラジオでしかないといわれようとも、 その回路動作原理をきちんと理解し、自分で回路図を起こし、スクラッチで組み上げて、きちんと調整して、 しっかり安定して動作する6石スーパーに仕立て上げることができるようになる・・・というのは、 私の人生目標のひとつなのです。 そしてすでに35年の間、その目標達成に向けての挑戦をせずに逃げ続けているのです。

    シグナルジェネレータとかオシロスコープとかの機材が揃って使いこなせるようになり、 また調整の理屈と手順も中学坊主のときよりも正しく理解できるようになったので、 ゴミ同然だったGR-64はみごとに本来の性能を発揮するようになりました。 この達成感でスーパーヘテロダインの調整に関する強いトラウマはほぼ軽快しましたが、 しかし一度もスーパーヘテロダインをスクラッチで作ったことがない、という気おくれ感は引きずったままです。 なので、そうね、このラジオから取り外したバリコンやらOSCコイルやらを使って、ひとつスクラッチビルドに取り組もうか。

International AM


ラジオとして復活させる

    ・・・とか思ってからはや10年、いまだにスーパーづくりは始まってすらいません。 困ったね、本当に人生終わりになるまでに自作スーパー、できるの?

    ところで人生目標といえば、高校生のころに目覚めた 峠越え 。 死ぬまでに1000の峠に到達する、というのが目標です。 こちらはこの数年間アクティブで、目標達成も現実味を帯びてきました。 順調にいけば、2016年中に達成できるかもしれません。
    到達した峠の数が増えるにつれ、半日コース --- 行動6時間程度で気軽に行けるような近場の車道峠はほぼ到達すみになってしまいました。 ので、半日の空きができたときは 近場の忘れられた廃道 を訪ねて歩いていたりします。

    で、もはや誰も歩かなくなったような古い道を歩く時の心配の一つがクマに遭遇すること。 なので山に入るときはカウベルを鳴らしています。 でもカウベルは途中で腰を下ろして休むときは鳴ってくれません。
    ポケットラジオを使うと、AMラジオではバーアンテナの指向性のために歩行中は音量が不安定になってしまいがちですし、 FMラジオでは山間部で信号が弱いときもあります。 それになにより、そもそも歩きながら聞いていたいような番組もやっていませんし。 歩くときにいつも持っているポータブルナビゲーションシステムには音楽再生機能があってこれでも良いのですが、 バッテリの消費が不安。 スマートフォンで音楽をかけると、小さな内蔵スピーカでは音量が不足です。

    そこで、シリコンオーディオプレーヤと小型のパワードスピーカの組み合わせを試してみたくなりました。 最近はバックパックぶらさげを主眼に置いた具合のいい製品も出始めました。 けどね、はい買ってきましたというのはつまらないから、そのへんの在りものでなにか工夫してみたいなあ。 ここにポゴのおもちゃか何かから取り外した5cm径スピーカがあるぞ。 そうだ、あのラジオに入力ジャックをつけてやって、プレイヤーのヘッドフォン信号を入れるってのはどうだろう? 6石スーパーのトランジスタプッシュプルと5cmスピーカならスマートフォンなんか目じゃない音量が出るぞ。 まずあのラジオを復活させてみよう。

    仕掛かりプロジェクトの箱を開けると、ラジオの朱色のケースは相変わらずに強烈なオーラを放っていました。 ケースを開けてみると、 独立型の単3電池2本の電池ホルダはなぜかプラスチックが欠けて使えなくなっていました (写真に見えています)。 セロテープで応急修理しましたが、似たような電池ホルダの在庫はあったかな。 スピーカを繋ぐと、ラジオは元気に鳴りだしました。 しばらく再び、オリジナルの状態で100円ラジオを楽しみます。

    使われているトランジスタは黒色エポキシのクラシックな半円筒型パッケージをもつもので、 トランジスタを数えてみると5個。 中間周波トランスは2つしかありません。 6石スーパーではなくて、5石スーパーのようです。 強・中電界地域では6石スーパーではふだんはAGCが効いて受信機のゲインは大きく下がった状態で動作しているものですから、 5石でも十分に大きな音量が得られます。 むしろチューニング中はローカル局以外はノイズも受信音も小さいから、 ローカル局しか聞かない人 (たいていの人はそうでしょう) にとっては好都合かもしれません。

    選択度は実用的でスーパーヘテロダインならではですが、 最適同調点はかなり狭くて、小径スピーカのためもありゼロインしても高域のヒス音がかなり強く残っています。 やはり中間周波数段が1段少ない分スカートが広くなってしまっているのでしょう。 それともこれは、中間周波トランスの調整がずれているのかもしれません。 コスト低減のために中間周波トランスの個体調整工程が省かれているというのはとてもありえそうだし、 再調整したらもう少し良くなるかな?

    スピーカがなにしろ小径でなおかつ低品質のものですから音質は語るべくもないのですが、 音楽を聴くと受信音の濁りははっきりとあります。 これはスピーカに起因するものではありません。 さて、これはどういう理由に因るのかな。 電源電圧変動によるものか、AGCのフィードバックが悪さしているのかな? もう何年も、日本製のきちんと作られたポケットトランジスタラジオの音は聴いていません。 日本製の品質の良い製品も、6石スーパーポケットはやはりこの程度だったんだっけ、 それともこのラジオの音はやはり悪いのかな。

International AM

International AM


外部入力で鳴らしてみる

    さて、試しにボリュームから線を取り出してここにICレコーダのヘッドフォン出力をつないでみると、 うん、十分な音量が出る。 レコーダのヘッドフォン出力の音量は半分以下に絞ってちょうどいい感じ。 ラジオのボリュームを上げていくと当然音は歪み始めますがこれは無理のない当然のこと。

    大きくてスペースのあるケースのため、入力ジャックの取り付け位置にはそこそこ自由度があります。 デイパックにつるすか再度ポケットに入れるシナリオを考えると、 ケースの上面にジャックを持たせるのがいいかな。

    で、ところで、あれっ、ラジオが聞こえなくなっちゃってる。 線を取り出すついでに、取り付けがぐらぐらだったバーアンテナを固定しようとしてボンドを流したんだけど、 それがいけなかったかな? それとも作業の際にバーアンテナのリッツワイヤを痛めてしまったのかな?

2016-01-30 外部入力テスト

    ところでこのラジオの中間周波トランスにはSING RING ELECTRIC CO.と入っていますが、 ウェブをサーチしてみるとはたしてこれは Shenzhen Grand Sing Ring Electronic Technology.co.,ltd [外部リンク] の製品なんだろうか? どうやら最近はApple社製品のリプレイス用コンポーネントを作っているらしいぞ。 ここの部品を使ってiPhoneの模造品が造られたりするのだろうか? と思いつつ、取り扱い製品が10年間かそこらの間に中間周波トランスから高精細タッチスクリーンLCDパネルに変わっているのだとしたら、 やはりすごいことだ。




つづく・・・


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Dec. 25, 2005 Purchased.
Jan. 25, 2016 Writing. [Noobow7300A @ L3]
Jan. 28, 2016 Writing. [Noobow7300A @ Matsuzaki Town, Shizuoka Pref.]
Jan. 30, 2016 Updated. [Noobow7300A @ L3]