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Akizuki Denshi K-0074
Sealed Lead Battery Charger Kit
<English Page>


奥の深い世界
     バッテリーの充電というのは一見簡単な行為だし、はるか昔から行われていますが、 ベストな充電方法となると100年以上経った今でも開発が続いているという奥の深い世界のようです。
    チャールズ・バベッジ号用に買った充電式自転車用ヘッドライトのバッテリーチャージャーはえらくお粗末なもので、わずか2回の使用で壊れてしまいました。 その後は安定化電源装置を併用してラボで充電していましたが、 過充電の恐れがなく自動車のバッテリーから充電できるようなものでも作ろうかと考えていました。

    鉛バッテリーの充電回路ならさほど複雑ではないので、部品を集めてこしらえてもたいした手間ではないと思いましたが、 ここのところラボの活動のための時間がなかなかとれず作業に着手できていませんでした。
充電器キット

CIC 21-020 Block Diagram
    日本人のエレクトロニクス ホビイストなら絶対知っている秋月電子から、ちょうど手ごろな鉛バッテリー用充電器キットが発売されています。 価格は1000円。   久しぶりに秋葉原に買い物に出かけられ、買うことができました。 キットは必要なパーツ、プリント基板それにバッテリーの技術資料を含むマニュアルのセット。 AC100Vで使用するなら電源トランスを別途買い求める必要がありますが、私はDC12Vでの使用を考えていますから不要。

    回路構成は723ボルテージ レギュレータICを使ったスタンダードなものです。 基板上に2つのトリマがあり、ひとつは定電圧動作時の設定電圧を、もうひとつは定電流動作時の設定電流を調整します。 電流検出用のセメント抵抗は5Ωと1Ωが用意されており、使用するバッテリーの定格に応じて選択組付します。
    充電開始時は充電電流の上限はあらかじめ設定された値に制限され、本機は定電流動作をします。 充電が進んでバッテリー電圧があらかじめ設定された値に達すると本機は定電圧動作に切り替わり、充電電流がしだいに少なくなっていきます。  この動作により、バッテリーが満充電となるとトリクル充電となり、過充電の心配が不要です。

    本機の最大充電電流は2Aですが、ユーザが別の大きなパワートランジスタをダーリントン接続して大きなヒートシンクを用意すれば、もっと大きなバッテリーを充電することも可能です。
組み立てとテストラン
    プリント基板はユニバーサル基板の母材を使用して専用のパターンを準備したもので、シルク印刷もレジストもついています。 この基板は他のモデルとの共用らしく、 このキットでは使用しないパーツがいくつもあり、指定された部分をジャンパー線で接続します。 このあたりはいい意味でアマチュア的。 秋月の製品にはユーザが自分流にモディファイしていく楽しみがあります。パワートランジスタ用のヒートシンクが付属していますが、プリント基板上に取り付けるのではなく、ユーザが各自ケースなどに工夫して取り付けるようになっています。

TC4007UBP Internal Circuit
    部品点数は少ないですから組み立てはすぐ完了。 パワートランジスタとヒートシンクは別のユニバーサル基板の切れ端を使用して取り付けました。
    別の安定化電源からDC12Vを入れ、トリマVR2をまわして無負荷時の出力電圧を6.84V (使おうとしているパナソニック製シールドバッテリーの定電圧トリクルチャージ時の規定電圧)  に調整しました。
     次に実際にバッテリーをつないで充電動作させ、トリマVR1をまわして定電流動作時の制限電流を設定します。 使用しようとするバッテリーは4.2Ahですからその1/10の420mAを設定値としましょう。 電流検出抵抗は5Ωを選択組付しましたから、オームの法則を用いて 5 x 0.42 = 2.1 V、したがって電流検出用セメント抵抗の両端の電圧が2.1Vになるように調整しました。

    この充電器の回路はシリーズドロップ型ですから、充電電流0.4Aとドロップ電圧 (12-6.83 = 5.17V) を掛け合わせた約2Wの熱がパワートランジスタから発生します。 付属のヒートシンクを自然空冷で使うと、温度はほんのり暖かい程度ですので、特段の留意は不要でしょう。   
お次はパッケージング

    カーバッテリーにつないだまま、過充電の心配なく充電できる基板が完成しました。 お次はこれをどんなケースに組み込むかです。 本来の目的はバベッジ号をレオーノフ号に積んだ状態で翌朝までに充電しておける装置ですので、 レオーノフ号のどこに設置するのかもあわせ検討要。 充電電流計または充電完了インジケータも欲しいですね。 さあて。

つづく・・・

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May. 31, 2003 Purchased at Akizuki in Akihabara.
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