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Ramsey Electronics AR-1

Airband Receiver Kit


Ramsey AR-1

Ramsey Electronics AR-1 Airband Receiver

    Ramsey Electronics 社はアメリカのエレクトロニクス・ホビイストの間では最も知られているキットメーカーである (あった) のではないかと思われます。 多くのパーツショップやウェブサイトで取り扱われていますし、多くの雑誌に広告があります。 簡単なLED点滅キットからSSB HFトランシーバまで、数多くのキットを送り出しています。

    その製品の評判というと、しかし、必ずしもベストとは言えないようです。 仲間内に聞いても「そこそこ」というのが一般的な答えで、事実私もこのAR-1を含め4点組み立てましたが、 ノントラブルで実用になったのは1点だけです。

    まあアマチュア無線の世界で有名な今は無き Heathkit 社の製品にしても、 中には設計品質がひどくてマニュアル通りに組み立てただけでは全然使い物にならない高級短波受信機があったようですから、 Ramsey社だけを責めるのもどうかという気もします。

    ともあれこれはキット、あくまで素材としてとらえ、 いったん組み立てた後にも性能・機能改善で楽しむものだとすればいいんです。

Ramsey社は2024年にすべてのホビイスト向けビジネスから撤退してしまいました。 ひとつの時代が終わってしまいました。


    さてこの Ramsey AR-1 は、エアバンドすなわち航空無線の受信機です。定価は手元のカタログで29ドル95セント。 専用ケースは別売りです。

    アメリカという国は大変広いので、主要都市間交通は航空機によることが多いですし、 ちょっとした町になると緊急医療の目的を含めてたいてい飛行場があります。 したがって簡単なアンテナと受信機でも航空無線を受信できるわけです。

    我がラボからだとサンノゼ・インターナショナルがもよりの空港ですが、 同じサンノゼでも小型機用のレイド・ヒルビュー飛行場がありますし、同じ程度の距離にパロアルト飛行場、 マウンテンビューにはNASAのモフェット・フィールド、そして上空にはサンフランシスコやオークランドに降りようとする機体。 以前所持していたハンドヘルド機ではすくなくとも20チャンネル程度が常時アクティブでした。

    勤めていたオフィスはNASAのAMES研究所に付帯するモフェット・フィールドの周回レグの真下にあったので、 一日に何回もC-130ハーキュリーズの腹を見ていましたし、T-38タロンやF/A-18ホーネットもしばしば見られました。 スパイ機U-2のシビリアン・バージョンである地球資源探査機ER-2の急角度での離陸上昇は、何度見てもため息ものでした。 ・・・あれ、何のページだったっけ、ここ。




回路構成

    アンテナからの信号はLCネットワークを通った後、まずトランジスタ 2SC2498 で高周波増幅されます。

    信号はついでミキサー・オシレータIC NE602 に入ります。 このICと外付けのLC共振回路で目的の周波数より10.7MHz高い局部発振周波数が作られます。 これによりICからは10.7MHzの中間周波数が取り出されます。

    同調は局部発振コイルに並列に入っているバリキャップに印加する電圧をポテンショメータで可変することによって行います。

    中間周波信号は10.7MHzのセラミック・フィルターを通過した後、 中間周波増幅用IC MC1350 に加えられます。 このICはAGC制御されます。

    信号はその後中間周波トランスを通り、ダイオード検波されて音声信号が取り出されます。 音声信号は クワッド・オペアンプ LM324 に入り、 ここで音声帯域フィルタ/AGC電圧発生/スケルチの処理が行われます。

    低周波出力に使われているのは定番のIC LM386 です。

    本機の電源は006P 9V乾電池です。


ミキサー・オシレータNE602周辺。
局部発振コイルが見えます。



問題点

    組み立ててみると、スケルチ回路のダイオードが欠品していました。 Ramseyに電子メールを書いたら、 数日後にちいさなパケットで部品が届きました。 ダイオード1本だけなのですけれども・・・ おわびの印なのかどうか、 同じダイオードが10本ほど入っていました。

    組み立ておわって簡単な調整を済ませると、オークランド・センター広域管制をふくめ何局か受信できました。 ところが安定性が悪く、しばしばチューニングを取り直す必要があります。 普通のポテンショメータで行うチューニングは操作にたいへん敏感で、 精神統一しないととても合わせることができません。 また、強い局を受信すると最初の一言が大きな音で聞こえるものの、その直後に消えてしまいます。 あるいは、音声が大変にごってしまいます。

    調べた結果、普通の乾電池と単なるポテンショメータでは安定した同調電圧を得られないことがわかりました。 電池の消耗につれて同調電圧が変化しますし、 スピーカから音が出るたびに電池の電圧が下がって同調が外れるわけです。 暫定的に同調電圧電源として別の電池を使い、 同調コントロールにベックマンの10回転精密トリマポットを使ったところずいぶん受信周波数が安定しました。

    受信周波数が不安定な原因はもう一つ、局部発振コイルの同調点が基板の置き方で変わること。 ベンチの作業台、これは近所のガレージセールで椅子込みで25ドルで買ったものですが、 木目コーティングされているこの天板がスチール製であるということを思い出すまでに少し時間がかかりました。 安定なラジオとして完成させるには磁気シールドを含めてしっかりしたケースに収めるべきなようです。






棚上げ

    ここまでやった段階でこのAR-1はクパチーノ研究所のガレージの棚に上げられ、そのままとなってしまっていました。

    サンノゼ研究所に移転してしばらくした1998年11月、 Lafayette HA-55A エアバンド・レシーバ を入手していじりはじめ、その回路図が入手できるまでの間のネタとして再びAR-1を引っ張り出してはみたものの、 新しく買ったデジタルカメラで中身の写真を2~3枚撮っただけで、 何も作業できず。 結局、シリコンバレーにいる間にAR-1を完成させることはかないませんでした。







(ここで27年間のブランク)


最長級の仕掛かりプロジェクト

    トリオTS-820Sのデジタル周波数カウンタの2回目修理作業 を終え、 次に取り組むのは・・・ ゴールデンウィークも終わりもうすぐ夏だから、真空管はやめとこう。 あまり熱を出さないものは・・・ あれのつづきをやるか? いよいよ? ついに?

    しかかりプロジェクト保管箱から取り出したAR-1のプラスチックケースは、 保管中は光には当たっていなかったはずなのに、 黄変が進んでいました。 27年とはかくも長い歳月。

    いかに27年が長かったのか。 その間にRamsey社はホビイスト・子供向けのキットビジネスから完全撤退してしまいました。 RamseyはAR-1の後継/上位モデルとしてデジタルPLL制御のエアバンドレシーバAR-2を発売しており、 いつかはチャレンジしてみたいなあ、 いやでもその前にAR-1を完成させないと・・・ などと考えている間に、 Ramseyは思い出の中に。

2025-05-07 AR-1作業再開






動作開始

    まず手始めは、スピーカジャック交換。 AR-1のスピーカジャックは基板に直付けですが、なぜかΦ2.5mmジャック。 これでは不便なので、パーツボックスから取り出した中古Φ3.5mmのモノラルジャックに交換しました。 あわせ当時実験のためにつないでいたいろいろヘンテコなワイヤー類を除去。

    安定化電源装置でDC9.0Vを与え、 シグナルジェネレータでつくった119MHzのAM信号をアンテナ端子に入れたら、 AR-1はグズらずに鳴り始めました。 最初にいじっていたときは、こんなに安定して受信動作できたことはありません。 30年前に不調の原因だと推測していたことは、 見事な正解でした。 やはり安定した電源電圧を与えることは本機では絶対に必要なのでしょうね。 このAR-1を組み立てていた渡米直後のクパチーノのガレージには安定化電源装置さえなかったので、 試すすべもなかったのです。

    本キットを最初に組み立てたときは、 ベンチにはシグナルジェネレータもありませんでした。 実際の航空無線通信を受信するしかテストの方法はなかったのです。 でもいまでは120MHzまで出せるシグナルジェネレータがあります。 当時と今との一番の違いはコレ。

    感度も良好なようす。 シグナルジェネレータ出力を最低の1mVp-pにしてもはっきりと聞き取れています。 もっともこのシグナルジェネレータ、 最高周波数120MHzあたりでの出力レベルの正確さはかなり怪しいようですけれど。

    このページを見返すと、 オークランド広域管制が聞こえたって書いてあるなあ・・・ クパチーノラボからオークランド国際空港までは直線で46kmありました。 もっともその直線経路の大半はサンフランシスコ・ベイの海上ですが。 いまグンマからだと成田の地上局は聞こえないでしょうねえ。 でもときたま南の空の航路を東西に飛ぶ上空局が東京コントロールを呼び出すのはこのラボでも聞こえるはずです。

2025-05-07 動作開始



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    シグナルジェネレータで10.7MHzを作ってループリンクで信号を注入し、 10.7MHz中間周波トランスの調整を行いました。 調整は大きくずれていたということはありませんでしたが、 正確に合わせたところひとまわり感度がアップしました。

    本機をいじっていた当時とのラボ設備とのもうひとつの違いは、 ワイドバンド受信ができて周波数が正確にわかるゼネカバ受信機があること。 本機の近くにリンクコイルを置いてゼネカバ受信機でAR-1の局発信号の漏れを受信すれば、 ダイヤルが全くないAR-1でもいまどこを聞いているのかが簡単にわかります。 簡単にアンテナ端子にみのむしクリップコードをつなぎ、 ラボのあたりで一番強く聞こえる東京コントロールに ― その周波数ははっきり覚えていました ― AR-1を合わせてみると、 さほど経たずに上空局からの実際の信号を受信することができました。 時間とともにダイヤルがずれて聞こえなくなってしまうというようなこともなく、 周波数安定性は実用的です。 やはりバリキャップ電圧を安定化するというのはAR-1に必須の改造ですね。

    受信中に局発の漏れを別の受信機で聞いてみると、 オーディオ出力に応じて局発にAM/FM変調がかかってしまっています。 バリキャップとNE602の電源のデカップリングなどを改善すれば、 音質は良くなり発振傾向も低減されるのではないかな?

2025-05-08 実信号を受信






感度と局発の純度

    すぐ近くに置いてあるDELLのポートリプリケータ、 これは在宅勤務のPC用なのですが、 これがPCをつないでいなくても120MHz帯にけっこううるさいノイズをまき散らしていることがわかりました。 ポートリプリケータのACアダプタへの電源を切ったらノイズは収まりました。

    その結果、無信号時はAR-1は完全に無音になりました。 普通に期待される無信号時のホワイトノイズは聞こえません。 まだどこかおかしくて感度が出てないのかな? と思いましたが、 マニュアルを読んでみたら・・・

    うむ、正直でよろしい。





    一日中安定して東京コントロールを呼び出す上空局を受信できました。 局発はNE602を使ったバリキャップコルピッツ発振回路ですが、 電源投入から20分ほどでの周波数ドリフトは20kHz程度、 ウォームアップ後の周波数ドリフトは5kHz程度以内で良好です。 FMラジオ用の10.7MHzセラミックフィルタを中間周波パスバンドフィルタに使う格安設計のおかげで通過帯域は200kHz以上もありますから、 局発のドリフトのために聞こえなくなったりはしません。

    いっぽうで局発が受信音声に影響を受けてAM/FMがかかってしまう現象ですが、 NE602の電源を独立にしても現象は収まりません。 NE602の電源デカップリングだけでは直らず、 これはNE602の内部でプルインが発生しているということになります。 対策は無理かなあ。

    実験的にNE602の電源電圧を変えてみます。 チップの許容最大値の8Vに近い方がゲインは得られますが、 発振気味になってしまいます。 安定動作せるには無理は禁物なようす。 ドロッピングレジスタR7を1.5kΩに変更してみました。

2025-05-09






完成予想図

    スケルチは正しく動作していますが、 開閉動作に伴うポップノイズがやかましすぎます。 本機のスケルチは、 キャリアレベルがポテンショメータで設定したしきい値を下回るとコンパレータがOFFになり、 オーディオ増幅オペアンプ入力電圧を0Vに強制的に落として音を消す仕組みです。 これじゃポップノイズがクソでかいのは当然、ですね。 簡単な変更でポップノイズを抑えられないかなあ。

    中間周波増幅器に使われているMC1350は、 AGCピンへの電圧でゲインを最大60dB下げることができます。 しかしAR-1現状実機では強力な信号が入ってきたときのゲイン抑制が今一つで、 大きな音になってしまいます。 AGC特性も改善したいところ。

    現状実機のAGCライン電圧は無信号時0.8Vで、 信号が強まると高まるけれども、 3.5Vあたりで飽和しそれより高くなりません。 これが強力な信号の時にゲインを落とし切れない理由なのでしょうか。

    静かなスケルチ、もうすこしAGC特性を向上、 実用面ではやはりSメータ装備と、 周波数が読み取れるダイヤル― やっぱりデジタル表示がいいなあ― そんなことを考えながら、 30年にわたるキット製作プロジェクトの最終完成予想図を描きます。

2025-05-10






ノイズ源と屋外アンテナ

    120MHzのエアバンド帯は、短波とは違いますねえ。 いままで短波では問題にならなかった機器が、 エアバンド帯にノイズを出していることに気づきます。

    それでもこれは意外だった・・・ 120.500MHzに入ってくるバズノイズは、 CBA-1000真空管アンプ に取り付けてあるデジタルパネルメータが出していました!

2025-05-11


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    CBA-1000真空管アンプは一日中 ― 昼間はオンラインミーティングの音声アンプとして ― 使っていますから止めるわけにはいかず、 まあそれならパネルメータだけ止めてしまえばいいわけですが、 AR-1も次第に調子よくなってきているので、 ベランダに簡易屋外アンテナを用意し、 AR-1までは同軸ケーブルで引き込むようにしました。

    結果は上々、ノイズがぐっと減りました。 パネルメータのノイズは全く気になりません。 なのでパネルメータはAR-1のチューニング電圧の表示に使います。 これで元の周波数にすぐに戻れるのでとても便利。

    昼間は仕事用ラップトップとポートリプリケータを使いますが、 そのノイズはAR-1に直接飛び込んでしまいます。 まあこれはオープンシャシーでテストしている間は仕方なし。

2025-05-11 屋外アンテナを準備






AGCの謎を追っていくと・・・

    さあて、AGC電圧がどうやっても3.8V以上に上がらない件、 いろいろ調べてみましたがどうにも納得できません。 ひょっとしたらオペアンプが壊れてるのではないかな? AGCアンプはちゃんと増幅はしているものの、 オペアンプの内部出力段の電圧がある一定値以上に上がらないような、 なにかそんな感じの故障が起きているのではないかと。

2025-05-12





    意を決してオペアンプLM324を新品に交換してみました。 いままで動作していたのに交換後は全然聞こえなくなったので、 ICを交換したらやはり何か変わったのだと喜んで、 いったん他の素子定数をオリジナル定数にもどしたら、 最初と同じ状態に戻ってしまいました(大粒の涙)。 オペアンプの故障ではなかったようです。




    ここまでくると真の原因は、 いままで「まーここってことはないよねー常考」と思い込んでいたところに隠れているということになります。 自分の思い込みこそが最大の敵。

    オペアンプのAGCアンプ出力とMC1350のAGCピンの配線を切り離し、 外部ポテンショメータで作った直流電圧をMC1350に入れてみると・・・ なんかわかってきました。

    現在の回路構成では、MC1350の5ピン ― AGC制御ピンを開放にしていると、 ピンには3.4Vほど出ています。 ピンをGNDに落とすとMC1350はフルゲインで動作しますが、 開放のまま、つまり約3.4Vでも結構なゲインで増幅動作をします。

    AGCピンの電圧が3.4Vを超えるとMC1350のゲインは急激に下がり、 3.6Vでほぼカットオフ状態 (正確には-60dBほど) になります。 つまり、入力信号がどれだけ強くても、AGC電圧は3.6Vを超えることはないのです。 いままでAGC電圧は3.6V程度でスパっと頭打ちと思っていましたが、 信号強度に応じて3.4~3.6Vの間でAGC電圧は変化していたのです。

    要するに・・・ すべて正常動作していた、のですね。

2025-05-13






再スタート

    思い込みの罠にハマって時間と労力を費やしてしまいましたが、 一休みして心機一転、再スタートと行きましょう。

    AR-1の回路ではMC1350のAGCピンには1kΩを介してAGC電圧が印加されます。 MC1350のデータシートではここに5.1kΩが示されていますので、 それに近い4.7kΩに変更してみました。

    飽和点付近のAGC電圧の振れ幅がすこし大きくなったような気がしますが・・・ あまり変わりませんね。

2025-05-14





    現状のこれは、極端なディレイドAGCになってしまっている、ということができます。 聴感でS9程度まではAGCが効かず、 それ以上になってはじめてAGCが効き始める感じ。 信号強度とAGC電圧の関係は、 3.4Vを境にして極端に傾きが変わります。 このままのAGC電圧でSメータを振らせたら、 S9以上ではほとんど振れが増えないということになります。 うーん、どうしよう。

    そうか、ここはSメータはコンパレータを並べたLEDバーグラフにしておけば、 各段点灯レベルを任意に設定できるから、 賑やかし機能としては結構イケるものができるかも。 力技の8点LEDバーグラフメータを作ればいいや。

2025-05-14






周波数カウンタを考える

    AR-1に CRV-1/HB RI2 に使っているのと同タイプの周波数カウンタが使えないかどうか、検討してみます。

    このカウンタは最高周波数65MHz (実力69MHz) なので、 AR-1の局部発振周波数は直読できません。 10分の1のプリスケーラを用意できれば、 IFオフセットを1.07MHzとして設定すればいいですね。 ただし小数点表示の工夫は必要ですけれど。

    ところでいま10分周プリスケーラを作ろうとしても、 定番のuPB551Cは入手難ですね。 どうしよう・・・ あ、秋月電子でプリスケーラキット売っているぞ。

2025-05-15





    亀井堂マイフライツアーから戻って一息ついた後、 入荷していた8ケタ周波数カウンタをテストします。

    この周波数カウンタは120MHzを直接入力できますが、 信号GNDをつないだとたんに同じ電源装置で動作させているAR-1に明らかな、 とても受信機として使えないほどのノイズが入ります。 うえ、これは何だろう。 なんか対策できるだろうか。

    ノイズが対策できたとして、 このカウンタには信号入力レベルは100mVp-p程度は必要。 物は試しとNE602の局発ピンに直接つないでみましたが、 表示できないだけでなくノイズもひどく入ってしまいます。 少なくともプリアンプ / バッファアンプの追加は必要だなあ。

2025-05-24






AGC特性改善も並行して

    いったんAR-1ノーマルの回路定数に戻したところから、 再び改善の検討。 R16を10kΩから47kΩに変え、 AGCアンプゲインを倍にしてみました。 AGCが効き始める信号強度をより低くするわけで、 ディレイドAGCの効きはじめを早くするということもできます。 いっぽうでこの改造でオーディオ出力は弱まってしまいますね。

2025-05-25


    やはりオーディオレベルは下がってしまったので、 スケルチゲートのオペアンプの増幅度を4倍にしました。 この段はオーディオ信号としてはレベルを4分の1ほどに下げる設定になっています。 はて、なんでそうしてあるのかな。 LM386への入力としてはレベルが高すぎたのかな。

    E23を10kΩから47kΩに変えて、音量は大幅アップ。 スピーカからは十分な大音量が出ますが、 AGCの効きはやはり大きく不足していますねえ。

2025-05-26 スケルチゲートのオーディオゲインを約4倍に改造 (x1/4 -> x1)



局発の取り出しを考える

    NE602で生成されている局部発振周波数はどのように取り出したらいいのだろう。 NE602の6ピンからの取り出しだと負荷が局発の動作に影響を与えてしまいます。 すぐ近くにトランジスタ1つ置いて増幅して取り出したらいいのかな。

    ジャンク部品箱からちいさなユニバーサル基板の使い古しを取り出して清掃し、 簡単なトランジスタ1石のエミッタ増幅回路をつけてみました。 けれどNE602の動作に妨害を与えないためには、 すくなくとも4.7kΩの抵抗を介して取り出さないといけません。 するとトランジスタ増幅回路の出力は10mVp-pにも満たず。

    単純にもう1段増幅すればいいのだろうか? でもなんか発振してしまいそうだなあ。 こういう作業をすると、自分の基礎力が不足していることが痛感されますね。 高周波回路を自分で設計して作れる人、本当に尊敬します。 まあこっちはいまだ中学生レベル、シロートのラジオ小僧だからね。 背伸びも嫉妬もせず、 マイペースで行きましょう。

2025-05-31 局発取り出しアンプ試作取り付け いまひとつ電圧が出ない






Sメータ試作回路

    自分が扱えるのはDC回路、せいぜいオーディオ周波数どまりだな・・・ とちょっと意気消沈し、 一休みしたのちに、 それならDC回路をいじればいいじゃない、と言いながら、 AR-1用のSメータ回路の試作を始めます。 いまのままだと U-70D を作業用に使えないからね。

    仕組みは簡単、 LM324を2個で8つのコンパレータを並べるだけ。 あえて回路図を描くまでもなく、 ただAGC電圧と比較する8ステップの電圧を作るために抵抗はいくつにしたらいいのかを考えてノートに書き留め、 ブレッドボードで配線を開始。

    回路は一発で、 いい感じで動作し始めました。 すこし応答は遅くしたほうがいい感じになるかな? しばらく実用しながら、設定を微調整していくことにします。

2025-05-31 Sメータ ブレッドボード試作 動作開始



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夢の周波数直読

    Ramsey AR-1が!!!
    デジタル周波数直読に!!!
    なりました!!!

    裏返ししたユニバーサル基板の上のバラック配線ですが、 NE602の6ピンから軽く取り出した信号をエミッタ接地アンプ2段増幅することで、 周波数カウンタを駆動することができました。

    この8桁カウンタモジュールだと100MHz台ではサンプルレートが自動的に遅くなり、 実用上まどろっこしいです。 それにつなぐとノイズがやはり気になります。 やはりプリスケーラを試そう。

2025-06-06 周波数カウンタを接続できた






プリスケーラを試す

    秋月のプリスケーラボードが入荷しました。 電源は5V。 使われているICの電源電圧許容最大値は8Vなので、 AR-1メイン基板の9Vとは別の電源を用意する必要があります。 周波数カウンタモジュールは5Vあれば動作しますから、 周波数カウンタとプリスケーラボードは電源電圧6Vで動作させることにします。

    テストに使っているケンウッドの電源装置 は3系統の電圧を出すことができるので、こんな時にはとても便利。

    このプリスケーラボードはオンボードのディップスイッチで分周比を切り替えられます。 説明書を読み、分周比1:10にセットしました。





    仮配索バラック基板の局発バッファでプリスケーラボードはうまく動作しました。 6桁周波数カウンタをつなぎ、 周波数カウンタの局発オフセット設定値を1.07MHzにセットしたら、 うまく動作してくれています。 やったね。

    このカウンタには小数点位置をずらす設定機能はありません。 使われている7セグLEDはダイナミック点灯なので、 簡単なハードワイヤ変更改造はできなさそうです。 黒いテープで小数点を隠し、 フロントパネルに小数点を表示するしかないかな。

2025-07-11 6桁周波数カウンタ動作開始






ケースの用意をはじめる

    AR-1改、しだいに狙い通りに近づいてきていますから、 ケース組み込みの用意を始めます。 新品のケースを発注するのではなく、 手持ち品の再利用でいきましょう。

    実験用器材廃却品のケースがちょうどよさそう。 これはリードのケースかな? 中身を取り出し、 ケースにどのように組み込むかを考え始めます。






Sメータユニット用バーグラフLEDモジュールをつくる

    基板の取り付けとフロントパネルレイアウトを考えながら、 Sメータユニット用の新品ユニバーサル基板を用意しました。 先にSメータユニット正式版を作り始めましょう。





    在庫のLEDのなかから、グリーン5個・赤3個がそろういい感じのものを選んだらこうなりました。 LEDの位置を揃えるためにユニバーサル基板を切り出してバーグラフLEDモジュールをつくります。





    まずはLEDバーグラフ部を組立て。 適度に素人臭くていい感じになりました。






小数点の位置を変更する

    さて寝ようかとフトンに横になってうつらうつらしはじめて、ふと気づきました。 周波数カウンタの小数点表示。  MHzの桁のコモンがグラウンド電位になったときにDPピンをHiにすればいいんだ。 簡単な改造でできるはず。

2025-07-19 小数点位置変更改造の方法に思い当たる


    まあね、こんなページをグダグダ書いている私は、 いままでこの手のダイナミック点灯7セグ表示モジュールをいじったこともないんですよ。 技術も経験も1970年代の中学生のままなのです。 だから当時できなかったことを、今こうして楽しんでいるわけで。

    この周波数カウンタモジュールは3桁の7セグLEDモジュールを2つ使っています。 7セグLEDのピンにオシロを当て、どのピンがどのセグメントのものなのかを調べていきます。 どうやら使われている7セグLEDはアノードコモンタイプみたいです。 桁ごとのコモンピンと、各セグメントのピンが同定できました。





    小数点の位置を変えるには、 まずは7セグLEDの小数点ピンを周波数カウンタボードから切り離し、 つぎに3桁目のコモンピンがハイレベルになった時に、 小数点ピンをグラウンドに落とすトランジスタをひとつ追加すればいいだけのはず。

    トランジスタはみんな大好き2N2222を使用。 みのむしコード配線でうまくいくことを確認したのち、 周波数カウンタ基板にトランジスタを追加。 まあみっともない仕上がりですが、 とりあえずはできました。





    へへへ、やったね、うまくいった。 またひとつAR-1が完成形に近づいた。 1970年代の中学生は、 だれにもやり方を教わらず、自分で考えてひとりで改造できたよ。 大満足です。

2025-07-21 周波数カウンタ 小数点位置変更改造成功






電源ユニットをつくる

    いままで外部安定化電源で動作させていましたが、 そろそろ内蔵用の安定化電源ボードを作りましょう。 3端子レギュレータを使った簡単なものですけれど。

    組み立てた直後のAR-1がまともに動作しなかったのは電源電圧不安定が原因でしたから、 このボードはAR-1実用化のために一番最初に、かつ絶対に必要な対策なのです。

    レギュレータは3個。 メインボードとSメータユニットを動作させる9V系、 NE602局発・周波数変換段・局発バッファと同調ポテンショに与える同調電圧は別系統の9V、 そして周波数カウンタとプリスケーラ用の6V。 3系統に賑やかしのLED通電表示灯。

2025-07-25 電源ユニットボード製作





    テストに使っている電源装置は ケンウッドPWR18-2TP 。 独立した3系統の出力でできるので、 現状のAR-1のようにメイン回路に9V+デジタルカウンタに6Vといった扱いが簡単にできます。 でも今回電源ユニットができたので、 DC12Vの電源1本で動作するようになりました。

2025-07-28






Sメータユニットボード製作

    もうこうも猛暑が続くとね・・・外出するのは危険。 絶好調で発電を続ける太陽光パネルのエネルギーで遠慮なくエアコン2台回して、 Sメータユニットボードを製作。

    今回も古典的にユニバーサル基板、 クワッドオペアンプ2個でコンパレータを8回路配線します。





    入力カップリングとレベル調整トリマを取りつけ、できあがり。 Sメータボード正式版はいい感じで動作しはじめました。





    信号を受信すると周波数が4kHzほど下がるみたいですね。 LEDの点灯数が増えて消費電流が増し、 局発回路の電源電圧と同調電圧が変動してしまうのが原因でしょう。 3端子レギュレータだけでは電圧はわずかに変動してしまうのだと思います。

    いまは電源ユニットの2系統ある9V出力のうちひとつだけで動作させています。 局発・同調系の電源を独立させたらどのくらい改善があるか楽しみ。

2025-08-02 Sメータボード正式版製作



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局発取り出しボード正式版

    ここは今回のプロジェクトで一番の手抜き、あるいは素人以下と罵られてしまいそうな部分ですが・・・ 周波数カウンタのための局発周波数取り出し部。 あまりにも安直に非同調でトランジスタ2石で増幅するだけ。

    でも仮配線ボードでどうにか動作していますから、 ユニバーサル基板の切れ端を使って作り直し。




    ということで今日のAR-1Fは、

  • Sメータユニットボード完成・動作開始
  • 局発バッファボード正式版製作・動作開始
  • 電源ボード全系統使用開始 - 局発・同調・周波数変換段電源はメインボードと独立な9V

  •     これにより局発周波数ふらつきが低減でき、 強信号受信時の周波数変化が10kHzあったところ1kHzに低減できました。
    主要なところが実現できましたから、 ぼちぼちシャシー組み込みに移りましょうかね。

    2025-08-02






    スケルチのポップノイズを低減する

        そうだ、そのまえにもうひとつ。 スケルチのポップノイズ低減策を検討しましょう。 Sメータに使っていたブレッドボードが空いたので、 それを使っていろいろな方法を試してみます。

        AFアンプ入力を無信号時にトランジスタでシャントする方法では、弱いノイズが残ってしまいます。 オリジナル回路のスケルチコンパレータ出力電圧にキャパシタと抵抗を入れてON-OFF変化速度を落とす方法だと → 効果あり。





        スケルチ制御の電圧変化をゆっくりにすればポップノイズは出なくなりますが、 それだけだとスケルチが閉じている状態のところに信号が入ってきたとき、 スケルチが開くのが遅れてしまいます。

        なのでシリコンダイオードを1本追加しました。 信号が切れてスケルチを閉じるときは電圧変化をゆっくりにし、 信号が入ってきたときはただちにスケルチを開きます。

        この方法なら、AR-1オリジナル基板の部品の足を1か所浮かして、 基板そのものには改造を入れることなく部品面の空中配線だけで実施できます。 見てくれはかっこ悪いですが、ケースに入れるつもりだし、 ほぼ直流回路ですから空中配線も問題はありませんからね。

    2025-08-08 スケルチポップノイズ対策方法決定





        スケルチポップ低減対策組み込んで受信を続けます。 まだポップ出ることがあるなあと思いましたが、 どうやらPTTアップ時にポップ音が出る航空機があるらしいですね。 スケルチ開のときの応答はほんのちょっと遅らせてもいい気がしますが、 まあ今回はこんなもので。

    2025-08-09






    パッケージング作業開始

        もうね、外出は危険な気温ですからね、今年の夏休みはAR-1のパッケージングをして楽しみましょう。 夏休みの課題です。

        筐体構造のコンセプトはすでに決めてありましたから、 まずはフロントパネルのレイアウトを考えながら、 サブシャーシの寸法を決めていきます。

    2025-08-09 パッケージング開始





        サブシャシーはアルミ板。 川口技研の物干しアームは、今回のAR-1Fプロジェクトのために買ってきたもの。





        サブシャシーの加工ができました。





        サブシャシーにSメータユニットとデジタル周波数カウンタそしてプリスケーラユニットを取りつけました。

    2025-08-10





        フロントパネルの表示部穴あけ。 ついでサブシャシーを組み込んでみました。

        ここで使い勝手をみるためにテスト。 Sメータがちょっと傾いているけれど、このへんはまあ何とかなるでしょう。 テスト信号はシグナルジェネレータで作った119.398MHzですが、 現状のヘリポットではぴったりに合わせられません。 IFの通過帯域幅は±100kHz以上あるから10kHzかそこら離れていても問題ないですけれどね。

        テスト音源は黄昏フロンティアさんのアルバム"幻想曲抜萃 東方萃夢想 ORIGINAL SOUND TRACK"から Day Disc トラック6 「メイドと血の懐中時計」(原曲:「メイドと血の懐中時計」)。

    2025-08-11 フロントパネル仮組テスト



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        フロントパネルに電源スイッチ・パイロットランプ・スケルチコントロール・ボリュームコントロールそしてチューニングの穴あけ加工。 リアパネルにはDC電源ジャック・アンテナ (BNC接栓を使用) そしてスピーカ出力 (RCAピンジャック) 。





        表示部はダイソーで買ったアクリル板を使う予定です。 このアクリル板、安くていろいろなところに使えるなあと思っていたのですが、最近は店頭においてありません。 ざんねん。

        いっぽう作業中にM3ナットの在庫が切れてメリコで買ったのですが、 ステンレス制のものは10個で200円もします。 超高級ステンレスナット使用の高級機ができあがりそうです。

        ところでこの作業中、なんだかイメージと違う違和感があって、 なんでだろうと思ったのですが・・・ あーっ! 大マヌケな作業ミスをやっちゃった!!






        シャシー内にAR-1メインボードと電源ユニットを取りつけ。 上から見るとこんなレイアウトになっています。





        側面から見た筐体構造。 面倒くさがらずに奥行き方向もちゃんと組立図を描くべきでした・・・ メイン基板とチューニング用ヘリポットが5mmほど干渉してしまいます。 メイン基板を7mm後ろ方向にずらす必要があります。

    2025-08-11





        電源スイッチやAFゲインとスケルチのポテンショメータはパネルマウント品にしますので、 AR-1メインボードから取り外し。





        AF-1ボードは、組み立てたときにどんなはんだを使ったのか記憶がありませんが、 かなりフラックス汚れが目立ちます。 また、30年間の保管中に部品面の基板表面もずいぶんくすみ汚れがありました。 なので、IPAを使ってフラックスを除去、 ボードを全体的に清掃しました。

        ひょっとしたら電解キャパシタは新品交換したほうがよかったのかもしれませんが、 いまのところ問題がないようなのでそのままに。

    2025-08-11





        シャシー/ケースへのコンポーネント組み込みが一通りできました。 外部には電源・アンテナ・スピーカのケーブルだけで、 はじめてケースに収まった形でAR-1が動作し始めました。 つぎはベゼル製作と内装仕上げです。

        128MHz以上で発生していたノイズは低減しました。 原因は不明。

        右の動画、 118.380MHzのバーストテスト信号はスケルチポップ低減のデモ。 スケルチが閉じるときのポップノイズがほとんどなくなっています。

        119.380MHzのリーインカーネイションは復調音質のチェック。 低域に不自然な濁りがありますが、航空無線には十分すぎる良好な音質です。

        強信号受信時のわずかな周波数ドリフトは、 なぜかすこし程度が悪化してしまいました。

    2025-08-12 ケース組み込み完了



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        ベゼルが取りつました。

        加工ミスではじっこが割れちゃいました。 元気が出たらそのうち作り直しましょう。

        デザイン的にほとんどイメージ通りになったのですが・・・ やっばり気になるなあ、チューニングノブの位置。

    デザイン的に破綻しているだけでなく、 チューニングノブに指をかけてくるくる回そうとすると、 ノブが下過ぎて指がノブと机の間に挟まってしまいます。 操作性にも問題あり。

        やっぱり修正しよう。 でも、どうリカバリーしようかな。

    2025-08-13 ベゼル製作・取付






    作業ミスをリカバリする

        フロントパネル穴位置間違い、どうリカバリしようかと一晩寝ながら考えました。 朝に目を覚ました時にふっと解決策が浮かび、よしそれで行こう。

        夢の中で出てきた対策に問題はないのか、 まずはスケッチを描いて、机上検討。





        ラボのメカ部品・端財入れの箱を見たら、ちょうどいいトタン板がありました。 これを切り出してステーを作ろう。





        こんなトタン板どうしたんだろうね。 ちょっと考えて、思い出しました。 閑古鳥さんのジャンク市で 「持ってってくださいー」と言われてもらってきたビクターの電蓄ラジオ。 場所ふさぎだったので解体したのですが、 何かに使えそうなシャシー部材は保管しておいたのでした。 そのひとつがこのトタン板。 もともとはシールド板として使われていました。

        日本では1950年代でもラジオの部品にトタン板が使われていたんですね。 最近見ないなぁ、トタン板。




        チューニングポテンショメータステーはハンドニブラで簡単・きれいに切り出せました。 ドリルで穴をあけてできあがり。

        AR-1Fフロントパネルの穴もハンドニブラで穴を上方向に拡大して長孔化。 ここは見えなくなるところなので仕上げはほぼ行わず。





        みごとにリカバリできました。 穴開けの位置ミスでまるまる1日をつぶしてしまいましたが、 これでスタイルはイメージ通りのものになりました。 やっぱりこうでなくっちゃね!

        このデザイン、なんだか1970年代終わり~1980年代前半の香りがします。 私はその時代に人間ですからね、自分の好みで作るとそうなりますね。 予想よりもかっこよく仕上がったので満足です。

    2025-08-13 フロントパネルチューニングつまみ位置加工ミス リカバリ完了






    これでいったん完成

        アンテナコネクタを取付取り外ししたりといった軽いショックで調子が変わっていたので調査。 局発部のはんだ付け不良でした。

        あわせ内部をちょこちょこ。 プリスケーラ出力ワイヤを短くして不要輻射低減、 ケース背面のD-SUBコネクタ用オープニングにダミーのコネクタを装備。 中古ケースにもともとついていたヒューズホルダを復旧取付け:これもダミー。





        動作は安定しました。 AR-1は、29ドル95セントのキットとは思えない性能で遠くの空からの声を受信できています。

        まだレタリング入れの作業が残ってはいますが、 これでいったん完成、の扱いにしましょう。 自作機の場合は完成度90%あたりでいったん完成扱いにするのが吉ですね。 その先の細かいところは、 指数関数的に時間やコストや労力が増大してしまい、 いつまでたっても100%にはたどり着かないでしょうから。

    2025-08-14 Ramsey AR-1 機能拡張モデル AR-1F いったん本体作業完了






    アローライン

        AR-1が予想以上に調子よく動作しているのに気をよくして、 2か月前にすでにエアバンド用のアローラインを発注しておいたのでした。

        とても軽量なアンテナですが、 どうにやってこのアンテナを上げよう。 ホムセンに3回足を運び、 取付コンセプトを決めて、 部品をそろえて、加工と取付作業。 どうにかイメージ通りに仕上がりました。

        アローライン、さすがに簡易1/4λとは違う! いままで何も聞こえなかった周波数のトラフィックがはっきりと聞けます。

        実はアローラインを使うのは今回が初めて。 アローラインは打ち上げ角が低いとは子供のころから聞いていましたが、 今回それを実感しました。 100kmほど離れている上空局がとても良好に受信できているとき、 30kmとか20kmしか離れていない近い局はむしろ弱いのです。 アローラインはDXに強い、というのはこういうことなんだね。

    2025-08-14 アローライン仮設
    2025-08-15 アローライン正式取付





        30年前との違い ― これは本当に大きな違いですが、 ADS-Bサイトを参照すれば、 聞こえた上空局のコールサインをもとにそれがどこを飛んでいる機体なのかを即座に調べることができます。 なので、どこの機体が聞こえているのかを地図にプロットしてみました。

        AR-1のマニュアルには「100マイル先が聞こえます」とありますが、 これは偽りなし。 100マイル≒160km先はおろか、200km先の航空機が多数聞こえます。

        ラボの南方面は御荷鉾山系があり、おそらくそのせいでしょう、 伊豆・静岡はまったく聞こえていません。 いっぽうで名古屋・仙台方面は山の間を抜けるパスがあると見えて、 遠くが聞こえています。 白石上空までの250kmも聞こえますし、 銚子沖に至っては280kmも聞こえました。

        もちろんそういった遠距離は上空局が3万4000フィートとかそれ以上で飛んでいる場合に限られますが、 それでもAR-1は「十分に高感度だ」といえると思います。

        いっぽうでアンテナをよくしたら、 それまであまり気にならなかった選択度の甘さがかなり辛くなってきました。 東京コントロール関東北、東京デパーチャ、成田アプローチの3周波数は分離できるとはいいがたく、 いっしょくたに聞こえてしまいます。 いやまてよ、その3つの周波数を同時に受信できるんだから、 市販の受信機よりも便利かもしれないぞ?




        デジタル周波数表示機能で、AR-1は完全に実用的になりました。 鳴った、聞こえた、できあがり、おわり! になってしまいがちな組み立てキットですが、 この30年前の29ドル95セントのキットは、仕上がったらなんだか新しい受信機を買ってきた感覚で、 すごく使うのが楽しいです。 AR-1F、取り組んでよかった。

    2025-08-16






    パルスノイズの出どころは

        バラック状態でテストしていた時は133MHz以上でバックグラウンドノイズが強いときがあって、 その理由がよくわからなかったのですが、 ケースに組み込んだ状態では118MHz~121MHzあたりがひどくなってしまいました。

        これはどうやらアンテナの周波数特性のようです。 テスト時に使っていた簡易1/4λホイップでは133MHz以上に同調していて、 いま使っているアローラインは120MHzあたりに同調しているということのようです。

        そしてノイズそのものは、どうやら太陽光発電システムからの輻射のようです。 午前中はどんどんノイズが強まって13時過ぎにピーク、 午後は次第に弱くなって日が沈むと収まります。

        そこまでは説明がついたのですが、 それとは別にイグニションノイズのような、 あるいは古い模型のマブチモーターを回した時のような、 ひどいパルスノイズが出ることがあります。 ノイズは継続しているわけでなくて、出たり消えたり。

        この原因がいまだに不明。 アンテナをつなぐと完全に消えるので外来ノイズ起因。 でも他のきちんとした受信機では感じられない。 バッテリ動作でも変わらなないので、 電源装置起因でもないし、 電源ライン経由での飛び込みでもない。 周波数によって出やすいところとそうでないところがあって、 夜になるとほとんど出なくなるものの、 皆無というわけではないので、太陽光発電システムのノイズではなさそう。

        現時点では、太陽光発電システムからを含めたノイズがAR-1に入り、 広帯域のまま非同調の高周波増幅段~周波数変換段に入ってミキサをオーバーロードさせているのではないかとみています。

        でも、もしそうだとしたら、 どうに対策すればいいのだろう?

    2025-08-24 パルスノイズの原因を調査中






    ノイズの出どころ

        しばらくAR-1Fを使っていて、ノイズの出どころは大きく3つあることがわかりました。

        ひとつめはやはり太陽光発電システム。 弊中央研究所には屋上とガレージにそれぞれ独立した太陽光発電システムがあります。 第1系統は2.5kW、第2系統は6.45kWで、計9kWの発電能力を持ちます。 このうち第2系統にはデルタ製のパワーコンディショナが使われていて、 第1系統のオムロン製よりもずっとノイズを出します。 アローラインに飛び込んできているノイズがどちらのパワコンから出ているのか、 あるいはパワコンではなくてパネルそのものから輻射があるのか。 そのあたりは不明ですが、ともかく日射が強いとノイズが強まります。

        ふたつめはおそらく近隣住宅の家電のノイズ。 ヘヤードライヤーあたりではなかろうかと思います。 かなり気になる音なのですが、30分以上連続して聞こえづけることはありません。

        みっつめはどうやらケンウッド製の安定化電源装置 PWR18-2TP が出していると見えます。 電源装置の電源を入れて最初の15分ほどの間に不規則なぱりぱり音が出て、 そのときにDC12Vの鉛バッテリに切り替えると音は止み、 PWR18-2TPにつなぎ戻すとノイズ。 しばらくすると出なくなるので、 電源装置内部の出力平滑フィルタの電解キャパシタの故障劣化あたりに思えます。

        まあいいや、いずれもAR-1Fそのものの理由ではなさそうです。 がまんして使い続けるようだな。



    > 次の作業・・・ Lafayette HA-55A 航空無線受信機

    第3研究所では

        AR-1Fを第3研究所に持ってきました。 第3研究所は中央研究所よりもずっと羽田や成田に近いのでさぞかしたくさん聞こえるかと思いきや・・・ 残念、アパート室内のワイヤーアンテナでは成績は振るわず。 聞こえるのは半径50km以内の上空局・・・ 羽田から上がって羽田デパーチャから東京コントロール低緯度管制にハンドオーバーされた機体がせいぜい。 地上局は聞こえてもごくかすかで通話内容は了解できず。 やっぱりいいアンテナですね必要なのは。




    技術資料


    回路図

        Ramsey AR-1の回路図です。実験中のメモと改造点を含みます。






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