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SONY CF-1980V "1980 Mark 5"

Radio Cassette Corder
(1977)



SONY 1980 Mark 5



豪華3点セット

    ソニー スタジオ1980に対する当時の屈折した感情は1980のページにつらつら書いてしまいましたが、 その後継機スタジオマーク2は家電店の店頭でチラリと見ただけでもう興味はなくなっていて (あるいは封印していて)、 さらに最終型1980のマーク5は発売当時その存在を知りませんでした。 念願の アイワ ステレオ840 を手に入れられていたし、 もうモノラルラジカセの時代ではなくなっていましたから。

    で、50年近く経った今になって、 そうなんだよなあ、 1980には短波ラジオがついてないんだよなあ。 短波つきの1980欲しいなあ・・・と、 他の方のウェブサイトやツイートを見てうらやましく思っていました。 そんな時に立ち寄ったリユースショップにたまたま外観程度の良いマーク5が手ごろな値段で売っていたものだから、 並んで置かれていた ICF-5900 IC-1100D とともに まとめて購入してしまいました。 今年のクリスマスプレゼントは豪華3点セット。

2024-12-02 CF-1980V 購入






サービス開始

    もうかれこれ半年ほど SBE SB-34 の改善改良を続けていますが、 ちょっとアイデアに煮詰まってきた感があったので、 買ってから3ヶ月後、 気分転換に1980マーク5の整備を始めることにしました。

2025-03-01 サービス開始


    真っ先に気になったのが、 メータが途中まで振れたままで反応しないこと。 でもこれはバッテリーチェックボタンが押されっぱなしで引っかかっていたためでした。 引っ掛かりを戻したら、 特に追加工などの処置をとらずとも普通に動くようになりました。 小さなことですがまずはひとつ成功。





    リアカバーを外してサービスポジションに。 コネクタの一つも外すことなくメインボードが機能を保ったままでメカ整備ができる19080の構造、 すばらしいです。

    内部の汚れはひどくありません。 というより、少なくとも一度開けられて、 クリーニングを受けています。






カセット修理

    まずはテープトランスポートの修理。

    1980ではよくある故障のようですが、 ファンクションレバーがラジオ位置にロックできず、 テープはPLAYボタンを押し下げることができず、 テープイジェクトもできないといった症状でした。 これらはすべてテープメカの摺動部グリス劣化による固着で、 いろいろやって回復。

    信じられないことにベルトは切れておらず、 メカの摺動がスムースになったらトランスポートは動作し始めました。 切れてないといってもベルトは伸び切っていて酷いワウフラッタですが。

  • ベルト2本新品交換
  • ファンクションレバーがロックしない: 復旧
  • テープがイジェクトできない: 復旧
  • PLAYボタンがロックしない: 復旧
  • RECボタンが押せない: 復旧
  • テープ速度わずかに落とした
  • ヘッドアジマス調整: 高音が伸びた

  • 2025-03-08 テープトランスポート修理



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    カセットトランスポートひとまず整備完了

        しばしカセットで音楽を楽しみます。 テスト音源は SJV-SC さんの2008年のアルバム"DIVIT"から @OdiakeS さんによる 「広有射怪鳥事 ~ Till When?」(原曲: 「広有射怪鳥事 ~ Till When?」) 。 真剣勝負を挑む剣士らしい緊張感とスピード感のある曲!

        実はカセットは完調というにはいまひとつ。 ワウフラッタ―が残っています。 ロック音楽ではあまり気にならないものの、 スローなピアノソロはダメ。 これはどこが原因なんだろう、 ピンチローラが硬くなってスリップが起きているのか、 トランスポートのアイドラのスリップか。 メインベルトに使った在庫品がちょっとキツいためかもしれません。 元気が出たらさらに詰めたいところです。

        いっぽう1980で起きていたモータのDCサーボのトランジスタ劣化による突発的なテープスピード変化は、 この1980Vでは見られません。

    2025-03-08 トランスポート修理ひとまず完了



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    5Wの大出力

        2020年にCF-1980を修理したときは電解キャパシタ劣化による音量低下・音質悪化・動作不安定が複数個所で起きていましたが、 このCF-1980Vは電気的にはまったく手を入れずに快調に動作中。 どうしてでしょう、1980と1980Vとでは使われているキャパシタのメーカー あるいはタイプが違うのかな?

        1980の最終モデルは5Wの大出力を謳って販売のてこ入れを図りました。 Mark 5の名前の所以。 パワーアンプは東芝TA7204Pを2個使い。

        スピーカも1980の定格5W品に対してMark 5では定格7W品を使用。

        パワーの余裕は音にも表れていて、 さほどの音量を出さずともMark 5の低域は1980よりもずっと豊かに響きます。






    ラジオは快調

        1980 Mk2でラジオに短波が加わったわけですが、 ラジオボードは当然再設計されています。 同じサイズのボードに短波を追加するのはなかなか大変だったのかもしれません。

        CF-1980のラジオボードではAM/FMのバンドセレクタは筐体上面にある2極双投のスイッチで、 ラジオボードのAM回路とFM回路のどちらに電源を供給するか、 およびAM回路とFM回路のどちらの音声出力をオーディオアンプ段につなぐかを切り替えます。 なのでスイッチへの配線にはさほど神経質さは必要とせず。

        これに対し短波が追加されたMark 5 (おそらくMk2も) では中波と短波で同調コイルと局発コイルを切り替える必要がありますから、 ケーブルでスイッチまで配線を伸ばすわけにはいきません。 そのためMark 5ではボード上にバンドセレクタのスライドスイッチを設け、 筐体側面の回転レバーでスライドさせています。 つまり場所を取るスライドスイッチをボード上に置く必要があるわけで、 ボードレイアウトはかなり込み入っています。





        幸い本機ではラジオは快調に動作しています。 プラスチックボディのポータブルラジオ故に室内ノイズは受けやすく、 グラウンドの取り方を工夫する必要はありますが、 感度も安定度も良好、 音質/選択度は国際放送に適したもの。 今夜のKTWR/フレンドシップラジオは信号やや多くスタティック多いですが、 快適に楽しめます。

        もうすこし短波での性能を良くしたければ、 内蔵ロッドアンテナを切り離して外部アンテナ端子を・・・ あれ? このラジカセには外部アンテナ端子がないんですね。 うーん、 短波はともかくとしても、グンマで使うなら屋外の八木アンテナを使わないとFM東京は楽しめないはず。 ダブレットアンテナも八木アンテナも使えないのはかなりのディスアドバンテージじゃなかったのかな。 1980の意外な欠点、 いまになってようやく気がつきました。

    2025-03-09 フレンドシップラジオを聞く



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