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General Electric Model 408
FM AM Receiver
(1950) |
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松下電器産業 通信型短波受信機キット CRV-1
の整備が一段落しました。
コロナ禍前にはずいぶん長かった修理待ちリストの残りも次第に減ってきて、
さあ次はこれに着手しよう。
1950年製の真空管FMラジオ。
ここのところしばらく短波と航空無線ばかりだったから、
たまにはFMラジオでいい音でも聴きたいよね。 シリコンバレーラボ時代に真空管をそろえて軽整備して以来28年間電源は入れたことがなく、 ビニール袋に入れられて保管していました。 そのおかげで汚れやサビはほとんど進行していませんでした。 セレン整流器の状態が怖くて、用心しながら電源を投入。 長期保管品だった408は、火も煙も噴かず、すぐにきれいに鳴りだしました。 これはほんと軽整備だけで行けるかなと思ったのですが、 使っているうちに音がどんどん酷くなってきました。 やはりひととおりの作業が必要ですね。 ペーパーキャパシタは全交換、 ソリッド抵抗も交換かもしれません。 きちんと本来の性能を取り戻してあげましょう。 2025-10-26 整備開始 |
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FM中間周波第2増幅 兼 AM中間周波増幅管12BA6のスクリーンバイパス C19 0.005μF と AM検波負荷 R24 220kΩを新品交換。
ソリッド抵抗は大半が50%以上の抵抗値増加を示しています。 もうこれは全数交換になっちゃうかも。 AM検波負荷抵抗を交換したのでAM復調品質のチェックをしたのですが、 とても音が良い! 調べてみるとこのラジオ、AM変調度100%でも歪なく復調できています! CRV-1 でも HA-225 でも、 真空管ダイオードを使っているAMラジオは深変調時に音が歪むものだと思い込んでいましたので、 これはびっくり。 どこにその音の良さの秘密があるんだろう。 本機GE 408のAM検波では、19T8の2極管セクションが使われます。 データシートによれば、この2極管はDC5V印加時に20mA流れます。 いっぽう9R-59やCRV-1 また普通の5球スーパーに使われる6AV6の2極管は、 DC10V印加時に2.0mAしか流れません。 つまり19T8のダイオードはパービアンスがずっと大きいわけです。 これがAM復調品質に効いているのでしょうか? 双2極管6AL5は、DC10V印加時に60mA流れます。 Sherwood S2100 のAM検波は6BN8の2極管を使っていて、これはDC10Vで50mA。 6AV6はたいていのAMスーパーヘテロダイン受信機のAM検波・初段低周波増幅の定番だし、 疑問に思ってなかったし、6AV6だと音が悪いとかいう話は聞いたことがありません。 でも6AV6を使っている受信機でたとえば6BN8に換えるとかすれば深変調時のひずみが改善されるものなのでしょうか? それともダイオードにDCバイアスを掛けるほうが効果あり? どうなんでしょう? 2025-11-02 AMの音の良さに感心する |
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今日の作業でペーパーキャパシタは全数交換完了。
ソリッド抵抗もすでに多数交換しています。 Sams Photofactの回路図と実機とでは違う部分がある、 というのはまあ不思議ではないのですが・・・ FMリミッタの12AU6、 グリッド抵抗100kΩが回路図ではグラウンドに落ちているのに実機では12AU6のカソードに落ちていることに気がつきました。 はて、これはどういうわけだろう。 試しにグラウンド落としに変更したら、リミッタ管の増幅率がぐっとアップしました。 実はいままでFMにつきもののハッシュノイズ ― ザーッという局間ホワイトノイズ ― がぜんぜん聞こえていなかったのですが、 リミッタのグリッド抵抗接続変更で明確にハッシュノイズが聞こえるようになりました。 フォスター・シーレー弁別器は相変わらず狂っていてスロープ検波しているのですが、 感度も音質も整備開始当初とは比べものにならないくらい改善してきています。 動画中のテスト信号は92MHz FM。 テスト音源はついったー東方部さんのアルバム"Bhava:agra" からトラック7、 「緋想天」(原曲:「緋想天」) ノリノリだねぇ! 2025-11-03 リミッタ改造 |
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今夜は、
FM中間周波第1増幅&AM混合管 / FM混合管 / FM高周波増幅管 / 局発管のプレート抵抗とスクリーンドロップのソリッド抵抗を新品交換。
ほぼすべて50%以上の抵抗値増大を示していました。 その結果・・・依然としてスロープ検波だけれど、 RF入力1mVp-pで大きな音で鳴るようになりました! それにかすかながら本物のFM放送も入るようになりました! テスト音源はOrangeCoffeeさんのアルバム "ラピスラズリ水曜図書館" からトラック2、 「Under Water Library」(原曲: 「ラクトガール ~ 少女密室」)。 すっごくさわやかで気持ちいい! ところでディスクリミネータトランスL12はやはり壊れかけています。 ときおり音が小さくなることがありますが、トランスを軽く叩くと復活します。 コイルは切れていないけれど弁別器の調整がとれないのは、 内蔵キャパシタの劣化あるいは破損かもしれません。 2025-11-04 |
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テキストを開き、フォスター・シーレー弁別器の動作を勉強します。
GE 408はフォスター・シーレー弁別器を使っているということまでは分かっていたのですが、
一般的なテキストでのフォスター・シーレー弁別器の回路に出てくるセンタータップのチョークコイルがGE 408にはなく、
あるいは「チョークの代わりに抵抗で済ませることもある」と書かれている抵抗も見当たらず、
テキストとの違いを理解できていなかったのです。 右図は "The Theory and Servicing of AM, FM and FM Stereo Receivers" のp402から抜粋。 フォスター・シーレー弁別器の動作原理を説明しているページですが、 GE 408のフォスター・シーレー弁別器は、ここに引用した「よく見かけるバリエーション」の回路と同じであることがわかりました。 ディスクリミネータコイルセンタータップのコモンリターンチョークコイルを省略しています。 これですっきりしました。 ディスクリミネータの動作そのものの基本は全く変わりません。 多少の性能の違いはあるかもしれませんが、 コスト制約の大きい大衆向け低価格ラジオならばチョークコイルを省略できるこちらの回路の方が有益でしょう。 テキストの回路図中での Cp / Cc / Cs は、GE 408ではディスクリミネータトランス内部に組み込まれています。 |
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フォスター・シーレー弁別器、あるいはディスクリミネータは、
受信信号周波数がディスクリミネータコイル中心周波数ぴったりになった時に出力電圧 ―右図のテストポイントTP-Bの電圧― はゼロになり、
信号周波数が中心周波数から外れるとその外れの程度によって出力電圧が上下します。
ところが本機ではどのような周波数の信号を入れてもディスクリミネータ出力電圧は下がる (ネガティブになる) のみ。 どうやら本機では、 ディスクリミネータトランス2次側の同調用キャパシタCsが破損劣化したか何かのために、 2次側コイルがFM中間周波数10.7MHzに同調できなくなっているものと思われます。 ためしにCsに並列でちいさなキャパシタを入れてみたら、 今度はどのような周波数の信号を入れてもディスクリミネータ出力電圧は上がる (ポジティブになる) ようになりました。 ではちょうどいい容量のキャパシタを入れてあげればいいわけだ。 トリマキャパシタを追加することも考えましたが、 ツイストワイヤキャパシタを試したらいい感じに調整できそうでしたので、 これをトライ。 |
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硬質ビニールワイヤの切れっ端を使ってツイストワイヤキャパシタをつくってCsに並列につなぎ、
ねじり具合を調整してディスクリミネータトランス2次側コイルが10.7MHzに同調するようにしました。
そのうえでディスクリミネータトランスT12の2次側コイルコアでコイルバランスを調整したら、
ディスクリミネータ出力はテキスト通りの動作になりました! |
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結果・・・FMがFMで聞こえました!! テスト音源は 舞風 さんのアルバム "東方幽靜響" からトラック3、 「Kanon」(原曲: 「妖怪寺へようこそ / 門前の妖怪小娘」)。 おはようございまーす!! 2025-11-06 フォスターシーレー弁別器動作開始 |
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ワックスペーパーキャパシタは全数交換、
ソリッド抵抗は大半がひどい抵抗値増大を示していたために交換。
このうちどれも致命的な機能失陥は引き起こしませんでしたが、
だいたい3個に2個の割合で交換後になんらかの性能アップが体感できたので、たのしい作業でした。
フォスター・シーレー弁別器の動作が学べたのが今回修理作業の最大の収穫でした。 |
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ということでキャビネットに組み込んで、作業ひとまず完了としました。
いい音で鳴ってくれています! テスト音源は Baguettes Ensemble さんのアルバム "Toho Jazz New Session with Youth" からトラック2、 「Traveling Alone」(原曲: 「あの賑やかな市場は今どこに ~ Immemorial Marketeers」)。 2025-11-09 キャビネット組み込み |
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