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短波ラジオの修理の面白さは、パズル解きをクリアして正解を見つける楽しみだけではありません。
永い眠りの後に蘇った機械から出てくる音はセピア色の思い出ではなく、今この瞬間の世界のライブなのです。 が、趣味は短波受信機のレストアです、といっても2001年の今ではほとんど通じないのが現状ですね。 20代の人ではタンパってなんですかっていうのが普通の解答ですから。 まあ、いわゆる文科系のヒトなら理解できなくもないのですが、 エンジニア、それも電子系の学校を卒業してきた技術者でさえこれなんだからびっくりします。 国際放送にしろ遠距離通信にしろ実用的意義が薄れているのは現実だとしてもね。 確かに古臭い技術なんて知らなくてもいいけど、 エンジニアたるもの技術を学ぶ姿勢と努力は欠かさないで欲しいものだと思います。 私のように一から設計したり製作したりができないけれど学ぶ姿勢だけは一応とってるぞ、 というビギナー・アマチュアにとって、 良質なキットは作る喜び、学ぶ喜び、そして使う喜びを提供してくれます。 松下CRV-1はまさにそんな良質なキット。 完成すれば第一線の性能と優美なスタイルで無線通信の世界を堪能できたことでしょう。 1999年にとあるOMさんからいただいた、得体の知れない痛んだ自作真空管式短波受信機。 松下電器の通信機用パーツを使いデータシートの製作例に忠実に沿ったものである、 ということに気がついてインターネットで調べるまで、 私はCRV-1という受信機の存在を知りませんでした。 時代も構成もトリオ9R-59とほぼ同じ、まさにライバル機です。 でもなぜ9R-59に比べてCRV-1が語られることが少ないのでしょうか。 私が CRV-1/HB と名づけたその自作機は、9R-59に劣るようなことは決してなく、 周波数安定度においてはむしろ明らかに優れていました。 CRV-1/HBは自分なりにいつくかの改造を加えて実用性能を向上させましたが、その作業中、 後にパーツ単体ではなくてキットとして発売されたCRV-1そのものをいじってみたくなってしまいました。 米国の有名な高級短波受信機メーカー・National社の受信機から拝借したとしか思えないその基本スタイル、 流行のパステルカラー、そして周波数直線バリコン。 歴史的にも興味深く、とても魅力的なモデルです。 2000-03-08 CRV-1入手 |
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この個体は動作する状態にある、とのことで入手しました。
写真にあるように、外観的にはSメータのゼロ調整を除いて全てのノブが交換されています。
オリジナルのノブも付属してきましたが、残念、全て揃ってはいません。 オリジナルのノブは灰色かがったグリーンで、当時の流行がしのばれます。 実機についているノブは時代的にずっと後の、アルミインレイをもつ黒色で、 こちらの方がずっと引き締まった表情になります。 ので、前オーナーの好みにもしたがってこのままとしましょう。 ただしAF GAINだけが形の違うものですし、 本来ノブが使われるべきモードスイッチはトグルスイッチに改造されています。 これはロータリースイッチに戻し、すべてデザインの揃ったノブにしようと考えています。 フロントパネルはプレス加工のスチール製、クリーム色のペイントに黒のレタリングです。 愛用されたとみえて操作部のレタリングはかなり消えかかっています。 ここは目をつぶりましょう。 ケースには大きなダメージはなく、良好な状態と言っていいと思います。 CRV-1は真空管なしのキットでしたので、ビルダは自分で別に真空管を買い求めます。 本機に使用されているのは日立・SKM・松下とまちまち。 あ、なるほど、2段目の中間周波増幅は6BD6ではなくて6BA6が使われています。 |
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この受信機は入手後1年以上ラボの片隅で待っていましたが、いよいよベンチに乗せてみました。
ケースを外して内部を簡単に点検し、特に欠品や異常がないのを確認します。
シャーシ下の風景は、初めて見るものという感じがしません。
それもそのはず、自作機CRV-1/HBとほとんどレイアウトが同じなのですから。
小物部品の半田付けはあまりうまくなく
(私の半田付けも相変わらずヘタクソなので人のことをとやかくいう立場にありませんが)、
キットの雰囲気が残っています。 電源を入れてみると、ダイヤル盤を照らすはずのパイロットランプは点灯しませんでした。 が、真空管は全球点灯し、やがて基本的には動作していることがわかりました。 少なくともバンドCでのダイヤルは結構正確で、迷わずにいつもの15MHz帯のVOAを受信できました。 感度も選択度もかなり良いレベルにあるようです。 安定度も良好で、HA-230やHE-80のようにしょっちゅうバンドスプレッドを触る必要はありません。 ボリュームコントロールはガリがかなりありますが、 密閉型のポテンショメータなのでセーフティウォッシュを吹き付けることができません。 |
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Sメータのゼロ調整ポテンショもひどいガリで、
触るとメータがピンピン音をたててプラス側にマイナス側に勢い良く振り切れてしまいます。
メータを焼き切ってしまうと大変なので、まずはメータの配線を外しておきました。 復調音質はかなりひどい、と言っていいでしょう。 音量は十分ですが、明確に歪んでいます。 AGCライン電圧をオシロで見てみると、応答が速すぎ、音声信号のピークがはっきりと残っています。 これではフィードバック歪が出て当然でしょう。 パイロットランプは単にねじ込みが緩かっただけで、球切れではありませんでした。 自作機CRV-1/HBで使われていたキャパシタは大半がワックスペーパーやオイルキャパシタで、 リークが顕著なものも多く、結局全部を新品に交換しました。 このCRV-1ではほとんどがディスクセラミックです。 音質不良があるとはいえすんなり鳴り出したのは、劣化の少ないセラミックキャパシタによるところ大であるといえます。 総じて好ましい状態です。いつもどおり、のんびりいきましょう。 |
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電源トランスは日本国内仕様。
100Vタップのほかに、90Vタップを持っています。
電源事情が悪かった1960年代当時ではありがたい配慮だったでしょう。トランスからのメカニカルハムは皆無。 B電源は6X4で両波整流されます。 2個のパイロットランプは6.3Vヒータ巻線からのAC点灯。 ごく標準的な回路構成です。 電源スイッチはAF GAIN用のスイッチ付きポテンショメータ。 個人的には独立した電源スイッチが好みなのですが。 CRV-1/HBの時も、信じられないことに、電源平滑用の電解キャパシタは機能を維持していました。 このCRV-1でもハムは全くありません。優秀なキャパシタです。 ハムの少なさ、という点でCRV-1はトリオをはるかに凌いでいます。 |
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CRV-1の低周波出力は、6AR5によるシングル。
出力トランスはシャーシ上にあり、ケースに小さなモニタスピーカが取り付けられています。
シャーシ背面にはスピーカターミナルがあり、
モニタスピーカと外部スピーカはフロントパネルのトグルスイッチで切り替えられます。
フロントパネルには標準モノラルジャックを用いたヘッドフォンジャックがあり、
ハイインピーダンスヘッドフォンを接続できます。
ヘッドフォンへは初段低周波増幅段の出力、すなわち低周波出力段の入力信号が取り出されています。
ヘッドフォンをつなぐと、低周波出力段の入力が切り離されてスピーカからの音は止みます。 初段低周波増幅は、家庭用5球スーパーでの定番6AV6の3極管部で行われます。 背面のレコーディングジャックは標準モノラルジャックで、検波出力の音声信号が取り出されています。 ここに外部から音声信号を注入すれば、その信号は低周波段で増幅されてスピーカから聞くことができます。 本機の最初の問題は復調音質不良。 AGC信号の挙動からしても、どうも低周波段だけが原因ではないと思われます。 が、まずは手順どおりに確認していきましょう。 ボリュームコントロールのホット側に0.1μFを介して音声信号を注入してみます。 すると、通信機型受信機としては実用にはなるでしょうが、ボリュームを上げると歪が目立ち、あまり感心しません。 6AR5を250Vのプレート電圧でA級増幅させる場合、コントロールグリッドのバイアスは-16V程度が良いようです。 CRV-1のカソード抵抗は500Ωで、カソードバイパスは25μF 25Vの松下製小型電解キャパシタ。 カソード電圧を測ってみると6.5V程度しかありません。 しかも不安定で、見ている間にマルチメータの表示がどんどん上がっていきます。 25μF 50V電解の在庫もあるので、まずはパイパスキャパシタを無条件で交換してしまいましょう。 しかしこの電解キャパシタは特に問題はなかったようで、交換後もカソード電圧は変動します。 ということは、真空管の不良か、あるいはコントロールグリッドの電圧異常ということになります。 コントロールグリッドの電圧を測定すると、無信号時0Vのはずが、あれれ、4V以上もあります。 初段低周波増幅管のプレートと出力管のグリッドを結ぶキャパシタがリークすると、 前段のプレート電圧の一部が出力管コントロールグリッドにかかることがあります。 ところが本機ではこのカップリング キャパシタは劣化の少ないセラミックで、実際にもリークは認められません。 すると・・・グリッドエミッションが起きているということになります。 ラボのストックには6AR5は2本ありました。 1本はCRV-1/HBに使用されていた松下製、もう一つは箱入りのたぶん新品 (か、ひょっとしたら交換されて箱に戻された不良球) のRCA製。 試してみると、どちらの球もグリッド電圧は0Vで正常。 やはり6AR5の不良です。 もう一度オリジナル球で長い間観察すると、グリッド電圧の上昇はどんどん続き、やがて10Vを超えてしまいました。 このときカソード電圧も11V以上に上昇していましたが、両者の差が1V程度しかないためにバイアスが浅くなり、 中程度のボリュームでも音の歪が顕著、ボリュームをさらに上げると聞くに堪えないノイズになります。 一方ストック球でのカソード電圧は、松下球では16VですがRCA球では14V程度。RCA球のほうが元気がないようです。 グリッド電圧をみると、松下球は0Vに近いものの上昇傾向があり、わずかながらグリッド エミッションがあるようです。 ところでアメリカのジャンク球が中心のわがラボのストックには、MT7ピンのビーム出力管6AQ5なら在庫がもっとあります。 アメリカ製MT管式通信型受信機の出力管を調べると、 6AR5を使った例は日本製の輸入モデルに散見されるものの、たいていは6AQ5です。 このため6AR5はあまり流通していなかったのでしょう。 6AR5と6AQ5のピン配置を比べてみると、 7番ピンが6AR5では無接続であるのに対し6AQ5では1番ピンと同様にコントロールグリッドがつながっています。 CRV-1では、7番ピンはヒータ用グラウンドとともにシャーシに落とされています。 そこで半田こてを入れ、7番ピンを浮かして6AQ5が使えるようにしてみました。 6AR5の負荷抵抗7kΩに対し6AQ5では5kΩで、一方CRV-1の出力トランスは当然7kΩ。 またカソード電圧は12.5V程度が適正です。 ちょっとミスマッチですが、フルパワーを搾り出そうとするわけではないので目をつぶってテストしてみます。 結果は以下のとおり。
すくなくともどれもグリッドに電圧は現れず、また音質も短波受信機用としては大差ありません。 テストに使った6AQ5のうちいちばんプアーな外見をもつ球は管内に剥れたカソードの破片と思われるフレークが多数あり、 カソード電圧からしてもエミッションが他のものに比べて弱いようです。 が、他に比べ極端に見劣りするものではありません。 他人に自慢できるほどの貧乏性な私は、迷わずこれを使います。 大音量では音の濁りが明確で、音楽鑑賞には適さなくなってしまいます。 が、今回はこれ以上はつつかないでおきます。 初段6AV6周辺には顕著な異常はありませんでした。
なおANLスイッチをONにすると、音質は明確に劣化します。よっぽどノイズがひどくない限りは使いたくはありません。
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シグナルジェネレータを使って455kHz 40%変調の信号を各段に注入し、
中間周波トランスの調整状況をチェックしてみました。
その結果、最後のトランス(検波段の手前)の下側コア位置が狂っていました。
当初-0.3VであったAGC電圧が、調整後-1.3Vまで高まりました。
ネジを一回し程度のズレではなかったので、トランス内部のキャパシタの容量がかなり変化してしまったか、
あるいは不適切な調整作業によるものではないかと思います。
他のトランスのコア位置はほぼ良好に調整されていました。
本機では2段目の中間周波増幅は6BA6に換えられています。 |
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AGCは2極管検波で発生する負の直流成分を前段のグリッドにもどす標準的なものです。
AGC電圧をオシロスコープで観測すると音声信号成分がずいぶん残っていて、
フィードバックにより音質を悪化させているのが明らかです。
回路図を見ると、AGCフィルタの時定数は2MΩの抵抗と、
2段目の中間周波増幅管のグリッド回路に入っている0.05μFによって決定されることがわかります。
で、0.05μFのセラミックキャパシタに並列に0.022μFのキャパシタを追加したところ、音声成分はかなり低減されました。
どうやらもともとついている0.05μFが容量抜けのようです。
2MΩの抵抗の実測値は10%以内で許容範囲。 セラミックでも容量減が起こるんだなあと思いつつ、交換しようとそのキャパシタをよく見たら、 なんと0.005と書かれています。 あれ? 一桁小さいぞ。 もう一度回路図を見てみます。CRV-1の中で0.005μFが使われている部分は・・・・ 電源トランス1次側のノイズ吸収と、音声出力トランス1次側のRFバイパス、 それにBFOピッチ用ミゼットバリコンに直列に入ったパディング。 実機を調べてみると、BFOバリコン部には0.005μFではなくて0.05μFがついていました。 組み立て間違いだ! 二つのキャパシタを入れ替えてみました。するとAGC時定数はやや早めながらも正常なレベルですし、AM受信時の復調音質も正常。 BFOを入れて7MHzのSSBを受信してみると、ピッチコントロールがきれいに動作しました。 どうやら最初のビルダー氏は本調子でないことに気がつかないままこの受信機を使っていたのでしょう。 ラボには同一クラスの受信機が何台もありますから並べて動作比較をすれば異常にも気がつきやすいですが、 1960年当時、初めてチャレンジした短波受信機が本来の性能を出しているのかどうか、 周囲に比較できるモデルがないとすれば気がつかなくても不思議ではありませんね。 でも、まてよ、ひょっとしたらこれは意図したものなのかも。たとえば電信受信を重視して高速なAGC応答を求めたとか。 いやいや、そんなことはありません。 CRV-1の3ポジション モードスイッチはもともとBFOを入れた時はAGCは効かないようになっていますし、 本機では2ポジションのトグルスイッチに改造されていてBFOをいれるとやはりAGCは効きません。 やはり単なる間違いですね。 この改造されたトグルスイッチ、AGC回路側の接点に接触不良があります。 AGCをOFFにしてもAGC電圧が0Vまで落ちないので、すこし感度が低下しています。 AGCフィルタは、私の好み的にはもう少し重くしたいところですが、本機ではオリジナルのままとします。
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周波数変換段および高周波増幅段は詳細なチェックをしていませんが、良好に動作している様子です。
ので、ちとせっかちにコイルパックの調整を行いました。
調整前はダイヤル位置による感度ムラが結構あり、特にバンドBの高いほうで感度が低く、
11MHz帯の国際放送が不利になっていました。
各コイルやトリマはどれも極端な狂いはありませんでしたが、調整後は各バンド全域で感度アップ。
ダイヤルは一面の人工ノイズだらけになってしまいました。
国際放送をチューニングする時はすこしIF GAINを絞るほうが静かです。 自己流の判定基準である「判別可能な最小信号レベル」はとてもいい数字が出ています。 感度は満足の行く性能になりました。
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バンドAについては、RFとANTのトリマで最大感度を出そうとすると発振状態になってしまいました。
これを防ぐため、意図的にトリマ調整をずらさざるを得ませんでした。
使われているコイル パックはCRV-1/HBと同じものですし、レイアウトもほぼ同じ。
でもCRV-1/HBではこのような発振は起きていなかったのですが。 3連周波数直線メインバリコンとバンドスプレッドバリコンは、本来は15pFキャパシタの空中配線で結ばれます。 が、本機ではキャパシタの替わりに丈夫な針金で直接結ばれています。 空中配線のキャパシタがCRV-1の欠点のひとつ、振動による周波数ゆれをもたらしていることは明らかで、 前のオーナーも不満に感じて対策したのでしょう。 しかしこれはバンドスプレッドのダイヤル目盛りのズレを併発してしまうかもしれませんが・・・ちょっと試してみたら、 9MHz帯の国際放送の周波数がバンドスプレッド目盛りからずばり読めます!! |
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CRV-1のSメータは高周波増幅管のカソード電圧とスクリーン電圧の関係を読み取るように配置されています。
ゼロ点調整はフロントパネルのメータ直下に配置されたポテンショメータで行います。
入手時はこのポテンショメータにガリがありましたが、
セーフティ ウォッシュをポテンショ内部にひと吹きして何回か回したところガリはすっきり解消。
調子よく動作するようになりました。 メータはやや小ぶりに見えますが、実際に使用されているメータは6cm角のもので、案外大きいものです。 フロントパネルのデザインが、メータを小さく見せてしまっているようです。 個人的にはSメータは大きいものが好きなので、立派に見せる工夫が欲しかったなあと思います。 メータのスケールはシンプルながら大変読みやすく、 9R-59の小さなラジケータに比べるとはるかに好感が持てます。 このメータはAGC電圧を表示しているため、IF GAINを絞っていくとゼロ点は動かずに読みがスムースに下がっていきます。 またBFOを作動させると(AGCが止まるようになっているため) 0で動かなくなります。 メータには照明はありません。 |
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BFOは6AV6の3極管部と松下製BFOコイルを使って発振され、その出力は検波段に直接注入されてます。
BFO出力はやや不足気味なので、強力なSSB信号を受信するにはきちんとIF GAINを落とす必要があります。 実際に14MHzでOMさんのラグチューを受信してみると、案外に良好に復調できます。 受信周波数のドリフトがあるため、ウォームアップ後も手放し受信はせいぜい10分間といったところですが、 復調音質は改造前のCRV-1/HBよりもよい感じです。 CWを受信してみると、経時的なドリフトのほかに周波数のふらつきがあることに気がつきます。 この対策が必要ならやはり電圧安定管の追加が必要でしょう。 CRV-1/HBに対して耐ビンボーゆすり特性は良好。 CRV-1/HBでは大型のバーニアダイヤルが大型のフロントパネルに取り付いていて、 それがバリコンにしっかりと固定されています。 このため、シャーシとフロントパネルの全体のゆがみがバリコン自体を変形させようとする方向に働いてしまいます。 CRV-1のダイヤルメカニズムはすべてシャーシ上面に固定されており、フロントパネルには直接の結合がありません。 選択度は現代の7MHz帯には不足。まあこれは当然のことですね。 中間周波トランスのスカートは広めと見え、またオーディオ段は通信機としては高域が伸びすぎなので、 外部にオーディオフィルタを入れるのが良いでしょう。 なお当然といえば当然ですが、AC電源経由ですぐ近くのPCからのノイズを拾ってしまいます。 ステップアップトランスを介すとノイズははっきりと低減されます。 それでも劣悪な受信環境なのは変わりませんが。 |
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表に示したような課題は残っているものの、本機は電気性能的にはほぼ完調になったといってよいでしょう。
結果として、劣化した真空管を1本取替え、組み立て間違いを直し、
接点を清掃して再調整を行っただけでCRV-1は本調子を取り戻しました。 バンドスプレッドダイヤルにはアマチュアバンドだけではなく主要国際放送バンドの目盛りもあるし、 周波数直線バリコンのおかげでダイヤルの高いほうでも目盛りが混みません。 このため、クリスタルマーカー等を併用しなくてもけっこう精度よく周波数を読むことができます。 機械的にも安定しており、周波数安定性もその方式を考えれば満足の行く性能です。 でもなぜこの機械は9R-59ほど売れなかったのでしょうか? キットだから? それともクリーム色のパステルカラーが通信機っぽくなかったから? これはありそう。湾岸戦争のときに砂漠で最も目立たない色として多くの軍用機は淡いパステルピンクに塗られましたが、 多くの退役パイロットは「本物の男はパステルカラーの機体で飛ぶべきではない・・・」とつぶやいたとか。 じゃあCRV-1も精悍なブラック、あるいはチャコールメタリックだったら? 当時CRV-1の購入を検討したが9R-59にしてしまったOMさん、 いらっしゃいましたら当時のご判断の理由をお聞かせください・・・・。
2001-12-31 整備完了 |
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シリコンバレー時代からの仕掛かり課題だった
Ramsey AR-1
と
Lafayette HA-55A
が仕上がり、
しばらく航空無線を楽しんでいましたが、
つぎは短波に戻ります。
これまた2001年を最後に仕掛かりのままだった、
CRV-1。 例によって当時の作業内容を記したこのページを読み返します。 調子良く鳴るから、 ダイヤルを組み直すだけでいいんだよね? 2025-09-28 第2期 サービス開始 |
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23年9ヵ月ぶりに電源を入れ、
ポテンショメータ類をくるくる回してガリが収まると、
CRV-1は調子良く鳴りだしました。
2001年当時に比べてアンテナが多少良くなっているせいもあり、
良く聞こえています。
まずは、グアムからの放送があと1ヵ月で終了するKTWR・フレンドシップラジオ。 CRV-1の国際放送バンド目盛りも刻まれたバンドスプレッドダイヤルはいいですね! いったんマーカー発振器を使ってキャリブレーションすれば、 10kHzの目盛りで5kHz程度の確度で周波数が読めます。 今夜もフレンドシップラジオは強力に入感。 「11月02日からの送信について」というアナウンスは、 11月以降も放送が継続されるということですね! よかった!! 2025-09-28 |
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感度も分離もとても調子よいCRV-1ですが、
周波数ドリフトは顕著。
電源投入後1時間にわたって、
6MHz帯でさえ10分かそこらに1回ダイヤルを触る必要があります。 とりあえずダイヤルディスクシャフトに注油してみたところダイヤル動作はいくらか改善しました。 2025-09-29 |
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調子が良いので昼間はRaNi MusicをかけてBGM機にしようと思ったのですが・・・
音が悪いぞ!? RaNi Musicはどのラジオで聞いてもこもった感じの音なのですが、 CRV-1では明らかに音が悪いです。 この受信機にはなにかトラブルがあります。 2025-09-30 |
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AM検波出力 (AC音声信号とDCキャリア振幅平均値が重畳) と、
AGC電圧をオシロスコープで観測してみます。
管面上で平坦に見えるのがAGC電圧、
音声波形がAM検波出力です。
いずれも1div=5V、いずれも0Vは管面Y軸中央です。 AGC電圧はだいたい-5Vにいますが、 音声出力波形は 0V ~ ピークで-20Vです。 0~-20Vで振れているなら、 AGC電圧はその平均値の-10Vくらいには達するはずで、 -5Vというのは弱すぎますね。 日曜日にフレンドシップラジオを聞いたときは内蔵モニタスピーカで聞いていたので、 音の悪さはスピーカのせいだと思っていました。 が、どこかに変なところがありそうです。 2025-09-30 |
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中間周波第2増幅管のプレートAC波形を見てみました。
テスト信号は 6.200MHz 1mVp-p 400Hz AM100%をアンテナ端子から注入。 すでにオーバーモジュレーション状の波形になっていますね。 これじゃあまともな音がするわけがないです。 中間周波段ですでに何かが起きています。 振幅は80Vp-pもあり、 これはAGCがどういうわけかあまり効いていないことを示しています。 |
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つづいて中間周波第1増幅管のプレートAC波形。
テスト信号は第2増幅と同じく 6.200MHz 1mVp-p 400Hz AM100%。
ここでは期待される波形になっています。
振幅は4.8Vp-p程度。 どうやら中間周波第2増幅段に問題があるようです。 2025-09-30 |
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音の悪さはオーディオ段にも問題がありそうです。
調べていくうち、
部品の配線ショートも起きていそう。
問題が見つかった部分は部品の取り付けリード線を曲げたりしてひとつずつ修正していきます。 音の悪さは初段低周波増幅あるいは音声出力管のグリッドバイアス電圧異常なのかもしれないと考えて調べを進めていきますが、 電圧関係にあきらかな異常はみつかりません。 2025-10-03 |
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中間周波第2増幅管のグリッドとプレートをX-Yで表示してみました。
グリッドAC電圧がY軸、
プレートAC電圧がX軸です。 増幅器の位相遅れのためにグラフはきれいなX=aYの直線にはならずに楕円を示しますが、 まあこれはいいとして、 問題は楕円の長径の傾きが入力振幅に応じて変化していること。 つまり増幅器がゲイン一定ではなくて、入力レベルが高いほどゲインが高まっていることを意味しています。 増幅器の直線性が明確に悪いわけです。 うーん、これはどうしてだろう。 ここは6BD6リモートカットオフ管が使われていますからグリッド電圧に応じて増幅度が変わるのは当然なのですが、 しかしAGC電圧 = グリッド電圧の平均値 が一定なら、 AC波形の増幅度がここまで変化するのは合点がいきません。 2025-10-03 |
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これはモジュレーションライズ現象なのでしょうか?
そうなのかもしれませんが、
同じ松下の中間周波トランスを用いて同じ回路構成をとっているCRV-1/HBではここまで顕著な異常は出ていませんでしたから、
この受信機の個体固有の何かが隠れているはずです。 いろいろ調べたり試したりしているうちに、 しかし、顕著なモジュレーションライズ現象は出なくなってしまいました。 超強力なRF入力4mVp-pだとわずかに観察できるのですが、 2mVp-p程度ではほぼ問題なし。 うーん、 何にもしてないのに症状が消えちゃった・・・ 真空管ソケットとピンの接触不良だったというのがいちばんありえそうな推定原因です。 低域の混変調歪 - ベースの音に応じてピアノが濁る - がすこし感じられますが、 これは検波段か低周波段の問題っぽそうです。 テスト音源は Accord on Codes さんのアルバム "Praying - Extended Play Vol. 02" から トラック2 「Arkus」(原曲: 「死霊の夜桜」)。 ここで追うのはやめて、別の作業をしましょう。 そのうちなにかヒントが見つかるのを期待して。 2025-10-04 |
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ダイヤルメカの組み直しに着手します。
右の写真でご覧の通り、メインバリコンもバンドスプレッドバリコンもヨー方向に傾いて取り付けられています。
このために糸掛けドライブの糸がプーリーをまたぐ部分でいろいろ望ましくない動きが出ています。 CRV-1はキットですが、バリコンはメーカー出荷時に組付け済みだったはずです。 松下の製造時からこんなものだったのでしょうか? 2025-10-05 |
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そんなことはありませんね。
バリコン取付ブラケットの汚れ/表面酸化のようすをよく見ると、
後年に取付位置がずれていることがわかります。
ラバーマウントブッシュが経年劣化で細り、
そのためにバリコン取付が傾いたのでしょう。 2025-10-05 |
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まずはバンドスプレッドダイヤルから。
糸掛けの取り回しを写真に撮影しておいて、
ダイヤルメカを分解。
ホイールやブラケットやシャフトやらダイヤルコードやらを、
ピカールとケミカルを使ってさび落とし清掃します。 2025-10-05 |
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今夜のKTWR フレンドシップラジオはバンドスプレッドバリコン切り離し中のCRV-1で。
今日は全部音声合成の放送かと思っちゃいました。 復調品質は良好。 どういうわけなんだろう・・・ 2025-10-05 |
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あちこちいじっていればそのうち隠れていたボスキャラに出くわすよきっと。
そう信じながら、11月に備えて15MHz帯の調子も見てみます。
ありがたい、感度も安定度もこのクラスとして上出来の性能が出ています。 今夜のCRV-1は6AV6のソケットを清掃。 変化が・・・ありません。 復調音声の歪は、RF信号が非常に強力な時に発生する ことを追確認できました。 フレンドシップラジオ程度の強さでは実用を阻害するほどの歪は発生しないのです。 大きな発見。 CRIのような超強力な局を聴くときは、 暫定対策ですが、 アンテナ・アッテネータを入れてあげれば歪が減ります。 2025-10-07 |
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ひょっとして強信号時の歪は、高周波増幅段で起きているのかもしれません。
けれどアンテナ回路からのRF電圧がグリッドバイアスを上回るレベルになるとはとても思えません。
CRV-1/HB RI2では局発周波数安定化のために高周波増幅管からAGCを切り離し、
常時フルゲインに改造しました。
強烈な入力信号で高周波増幅段が飽和するというのなら、
CRV-1/HB RI2でこそ大問題となるはずで、
だけれどそんなことはありません。 ともかく高周波増幅管のソケット回りを点検清掃しつつ、 ソケットピンを清掃するために真空管を抜いてみたら・・・ なんと6BA6ではなくて6AU6が刺さっている! 2001年の入手時には気づきませんでした。 それともこれは自分がなにか試そうとして差し替えたりしたのだろうか? いやそんなことはないはずだよなあ。 6AU6はシャープカットオフ管ですから、 AGC電圧が-3V以下とかに達するとほとんど飽和状態になって信号は伝わりません。 これが音質不良の原因だったのかも? ですが残念、ベンチの上に転がっていた6BA6に替えたのですが、 信号が強いときに音が割れる症状は相変わらず出ています。 音の悪さはラジオ日経で顕著ですが、 アンテナ入力にアッテネータを入れると期待できる程度の音質になる、というのは相変わらず。 6AU6が使われていたことは歪の原因ではなかったようです。 2025-10-09 |
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もういちどAM検波出力とAGC電圧を見てみます。
AM検波出力が強烈な割には、AGC電圧が思ったほどに下がってくれていないのは現状での事実です。
AGCの利きが悪くて中間周波第2増幅あたりがオーバーロードしているのでしょう。
うまくAGC電圧を生成できていないのか?
せっかく生成したAGC電圧がどこかでリークしてレベルが下がってしまっているのか? そういえば Lafayette HA-230 のときは6BA6がグリッドエミッションを起こしていて、 自分で勝手にAGC電圧を乱していましたね。 同じようなことが起きているのかもしれません。 とにかくもういちど、AGC回路を調べよう。 2025-10-09 |
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そのへんに転がってた6BA6を使った高周波増幅段は、
グリッドバイアス電圧が奇妙な挙動を示すことを発見しました。
電源を切って15分ほど休め、
再度電源を投入してグリッド電圧の変化を観察してみると、
電源投入後3分経過したあたりから急速にプラスの電位が発生しています。
これはあきらかなグリッドエミッションの症状! はて、この6BA6はもともとHA-55Aに使われていた球だったはず。 調子がいまいちだったから交換したんだっけ。 球はやはり不良だったんですね。 別の在庫6BA6 ― グリッドエミッションがないことをテスト済みの球 ― に置き換えて、グリッドエミッション問題は解決。 2025-10-09 |
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さらに見ると、高周波増幅管のプレート配線、真空管ソケットピンのはんだが外れていた!
もとからほとんどはんだがついていなかったように見えます。 これだっ! と思ってはんだ付けしなおしたのですが、 残念、強信号での復調音声歪問題は残っています。 まあ動作の不安定とか気づかない程度の性能低下の原因とかにはなっていたのでしょうから、 前進。 2025-10-09 |
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6AV6にふたつある2極管セクションのひとつを使って構成されているオートノイズリミッタ回路、
ビニール配線がはんだ付け作業で痛んで芯線が露出していました。 これが近くの電極に接触すればいろいろ変なこと・ヤバいことが起きるでしょう。 これだったのかな? このシールド線を取り外してANL回路を一時撤去したのですが、 これまた残念、復調歪の状況に変化なし。 2025-10-10 |
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6AV6の3極管セクションのグリッドリーク抵抗もまた、
イモはんだでした。
低周波段の部品に触れると発振状態になっていたのはこれが原因だったのでしょう。 はんだがちっとも乗らないターミナルにやすりがけしてはんだ付けし直し。 道中ボスキャラを倒したような状況ですが、 復調歪というボスキャラはまだ姿を現していません。 2025-10-10 |
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中間周波第2増幅管6BD6にはグリッドエミッションは起きていたりしないかな?
でもこの管のグリッドは抵抗なしでAGCラインに直接つながっていて直流的なインピーダンスはさほど高くないので、
グリッドエミッションが起きていてもオシロやデジボルを当てただけでは言い当てられなさそう。 なので、とりあえず在庫の6BD6に交換してみると、うん? なにか違う。 AM検波段出力にオシロを当てて、2本の球のそれぞれでAM検波出力波形を見てみると・・・ これだっ!! 右の写真は、 400Hz正弦波 70%AMの強信号入力時のAM検波器出力波形です。 ←がオリジナルの6BD6を使ったとき、 →が在庫の中古6BD6を使ったとき。 CRV-1にもともとついていた6BD6では出力は非線形ですが、 在庫球では期待通りの正弦波が観察できています。 2025-10-10 |
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在庫の6BD6を使えば、
10mVp-pという強烈なRF大信号でも正常に復調できます!! AM検波出力の平均DC電圧は-13Vあたり。 AGC電圧は-11V出ています。 いままでAGC電圧は-4V程度、強烈な信号を入れても-7Vまで下がるかどうかだったのですから、 AGC電圧が期待通りに下がらない問題も、 中間周波第2増幅管6BD6の直線性不良 が原因だったと結論していいでしょう。 テスト音声信号はUnity-Gainさんのアルバム"A Meowonderful Ordinary Day" から トラック6 「Pasaporte al Infierno」(原曲:「霊知の太陽信仰 ~ Nuclear Fusion」)。 2025-10-10 |
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やっぱりね・・・こういう不良はエミッションテスタでは見抜けません。
Lafayeete TE-50 簡易型真空管テスタ
で不良球と良球を測定比較してみたのですが、
直線性不良球のほうがむしろエミッションは強いです。
在庫#3球はエミッションはOK判定限界まで弱っていますが調子がいいわけです。 スクリーングリッド電流を測れば違いが見えるかな? けどもうテスタしまっちゃったので、いつか気が向いたら。 真空管にこういう故障モードがあるとなれば、 原因不明の故障の時に在庫の真空管何本かと交換して違いがあるかどうか見る、 というのはあながち素人の作法とは断言できないということになります。 なおこの直線性不良6BD6を高周波増幅段に挿してテストしたところ、 グリッドエミッションは起きていないか、起きていてもごくわずかであることがわかりました。 2025-10-10 |
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直線性不良の6BD6を交換してもやはり残るラジオ日経の音質の悪さ、
これは本機のAM復調回路が変調度の深いAM信号を上手に扱うことができないことが支配的でしょう。
CRV-1のAM検波回路は、変調度70%を超えると歪が出始めます。
右写真参照。 CRV-1のAM検波回路は6AV6を使った5球スーパー標準回路のようなもので、 これは9R-59/JR-60あたりとほぼ同じ。 性能もほぼ同じです。 通信型受信機はANL回路を追加するので、 これが負荷となって復調音質は悪化する傾向がありますね。 音質を重視するなら、ANLを撤去し、 2極管のAC負荷抵抗を高めることで若干の改善は可能です。 本機CRV-1については改造は行わず、 オリジナルのままとします。 2025-10-11 |
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音質不良の大きな課題を解決できたうれしさを引きずりながら、
メインダイヤルの分解整備。
糸掛けはうまくいくとほっとしますね。 2025-10-11 |
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復調音質不良は解決しましたが、
ときおり感度が低下して発振気味になってしまうことがあります。
まだ何かが隠れています。
なのでいろいろな局を聞きながら再発を待ち、テストを続けます。 中間周波第2増幅段6BD6を交換した後のプレート波形をもう一度確認。 プレート電圧はDC200V、強信号でAC50Vp-p。 当初の異常はすっかりなくなって、期待される波形が見えています。 2025-10-11 |
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コンテストでにぎわう3.5MHz帯の電信を受信してみました。
この受信機の、そして1961年の平均的なアマチュア局の受信操作を楽しみます。 AF GAINを大きく上げておいてAGCを切り、 IF GAINを絞ってBFO振幅レベルと受信信号振幅レベルのバランスをとります。 IF GAINが高すぎるとBFOが負けてSSBはモゴモゴ言ってしまい電信はきれいなトーンになりません。 IF GAINが低すぎると目的信号がノイズに埋もれてしまいます。 調整がうまくいってきれいに復調できると嬉しいですが、 強い信号が来たり信号が弱くなったりするたびに最適調整を繰り返します。 周波数ドリフトもあるし、片時も受信機から手を離せないという感じです。 コンテスト中の電信帯は数多くの信号が重なり合い、 松下電器産業自慢の通信用狭帯域中間周波トランス3連でも分離は不可能。 オペレータの耳に大きく頼ることになり、 またこの対策のためにQ5'erを作ってみようか、という思いになります。 松下電器産業はCRV-1をキットという形態で提供しましたが、 専用Q5'erは部品と作り方情報を提供するにとどまりました。 もし松下がCRV-1を完成機形態で販売し、さらに専用Q5'erをオプションで用意していたら? AMでしか使えないQ-Multiしか持たないトリオ9R-59に対して、 Q5'erでダブルスーパー化したCRV-1の選択度は大きなアドバンテージとなったはずで、 その後の市販アマチュア機の流れが大きく変わったのではと思うのですが・・・ 松下はなぜそうしなかったのだろう? Q5'erで選択度を鋭くするとCRV-1本体の局発の周波数ドリフトが問題となって、 総合的にはデメリットのほうが目立つようになってしまうから、 というのも理由だったのかもしれません。 2025-10-11 |
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KTWR フレンドシップラジオは終始強力、安定に楽しめました。
AGC電圧は-10Vよりも下がるようになりました! 2025-10-12 |
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1週間前は信号は強力に受信できているのにどうにもまともにJMH2がデコードできませんでした。
中間周波第2増幅管の直線性不良が原因で復調音声が歪んでいたためではないかと思います。
いまはとてもきれいに受画できています。 今夜の衛星画像は、突然故障してしまったひまわり9号のピンチヒッターとして急遽ウェイクアップ命令を受けたひまわり8号からの画像。 赤外線カメラは使用前の冷却が必要らしく、 数時間の冷却が済んで送信してきた画像がこちら。 きれいに雲が見えています。 すごいぞひまわり8号! ちなみに内蔵BFOで復調すると、 局発のドリフトとBFOの周波数変動でこうはきれいに受画できません。 なのでこの受像ではシグナルジェネレータでつくったキャリアをアンテナ端子から注入しています。 CRV-1の内蔵BFOと局発は、SSBやCWの受信にはどうにか実用になるものの、 ファクシミリやFT8にはまるで使い物になりません。 画像: 2025-10-12 2210-2229JST 7.795MHz JMH2 CRV-1 with RF Carrier Injection @ 7.793.1MHz 2025-10-12 JHM受像 |
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バンドスプレッドダイヤルの組み付け完了 調子よし! あわせトラックキング調整を実施。 バンドスプレッドダイヤルを上端ダイヤマークにあわせたときにメインダイヤルが実受信周波数を示すことを狙いましたが、 全域ぴったりには今一つ。 根気があればトリマキャパシタを追加する等々してもう一歩追い込みたいところですが、 これは将来のお楽しみに。 特筆すべきは高い周波数帯をカバーするCバンドで、 ダイヤル最上端にいたるまで安定な感度を示します。 ここはCRV-1/HB RI2では現状達成できていないこと。 言い換えれば、同じコイルパック・同じバリコンを使っているCRV-1/HBですから、 同じような性能が出せるはず。 がんばれ自分。 2025-10-13 |
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自分のはんだ付け技量もお粗末なものですから他人の作業をとやかく言えません。
けれどこのCRV-1、
当初のビルダーさんはさほどには経験があったわけではなさそうです。
右の写真に見えるようなところもあり。
ここは問題とはなっていなかったようですが、かなり気になります。 神経質なレストアラーだったら一回全分解して配線作業し直ししたくなってしまうかもしれません。 私はそうじゃないですからね。 きちんと動いているならばそれ以上には手を入れようと思いません。 手元の怪しげな配線作業は、1961年の記憶なのです。 2025-10-14 |
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というわけで、時折発生する受信感度低下と異常発振は、
1961年に組み込まれたトラップでした。
局発管6BE6配線のはんだ付け不良。
グリッド抵抗のグラウンド側外れ、
それとカソードにつながるコイルパックワイヤの外れ。
入手時はなんとかつながっていたものの、
ソケット周辺を綿棒で清掃するなどの作業の時に力が加わってポロっと外れてしまったのでしょう。 両者ともはんだ付けしなおして、 不安定な発振症状はなくなりました。 それでも発振症状を示すことがあるのですが、 これはアンテナ端子に何もつながない場合。 受信がフルゲインになった時に、シャシー内部でアンテナワイヤと内部回路でわずかな帰還ループができてしまうのでしょう。 コイルパックのアンテナワイヤは10cmほどの長さのビニール線でシャシー内部を這いまわっていますから、 ここを同軸ケーブルに置き換えるとかで改良できるかもしれません。 2025-10-14 |
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本機の内部の汚れは、わずかな油分を含んだホコリでした。
セスキなどで汚れはさほど苦労なく落とせました。
油分を含む汚れはサビ予防の効果があったかもしれませんが、
シャシー表面などは年代相応のサビ。
過度なクリーニングにはならない程度に清掃。 キャビネットとフロントパネルの清掃、 外装ビス類のくすんでしまったパンヘッドを研磨。 パイロットランプ配線は新しいワイヤで引き直し。 取り外していたANLの配線も復旧しました。 だいたいこの程度でキャビネットを組み上げました。 キャビネット底面のゴム足は摩耗しているので交換してもいいのですが、 まあいつでも簡単にできるから、今はこのまま。 2025-10-14 |
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作業忘れに気がついたので再度キャビネットをあけました。
そうそう、これこれ。
このヒューズ。
このワイの目を誤魔化せるとでも思ったのかい? まあね、気持ちはわかりますけどね、 こんなの会社帰り・学校帰りに電器屋さんで一つ買って交換してくださいなwww ところでCRV-1のヒューズはシャシー内底面にあり、キャビネットの底板を外して交換します。 家電品設計生産はお手の物のはずの松下電器、ここはなぜこうしたの? と問いたいところです。 2025-10-15 1Aヒューズ交換 |
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キャビネットを組み上げてから気がついたのが、
内蔵モニタースピーカON-OFF切り替えのトグルスイッチの接触不良。
いったんスイッチを取り外して内部に洗浄液を注入してカチャカチャし、
接触不良は回復しました。 スイッチを戻す段になって、その配線のはんだ付けは例によって危なっかしいものだったので、 引き直すことにしました。 それでそのワイヤリング、回路的には間違ってはいないものの、ちょっと気持ちの悪いものでした。 スピーカON-OFFスイッチへの配線がシャシー内を斜めに横切っており、 高周波増幅管の直近や中間周波第2増幅管の直近を通っています。 右の画像の黄緑色のライン。 これだとスピーカを駆動する音声信号がフロントエンドに飛び込んでしまったり、 あるいは50Vp-p以上の強力な中間周波信号がこのワイヤに飛びついて高周波増幅段に入ったりしちゃわないかな? さらには、外部スピーカワイヤがアンテナとなって入ってきたRFノイズが高周波増幅管に入っちゃったり? 2025-10-15 スピーカ配線の不適切さに気がつく |
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このへんCRV-1のオリジナルの組み立てインストラクションではどうなっているのだろうと思い実体配線図を見てみましたが、
ちゃんとシャシー外縁をぐるっと回して、
内部回路に影響を与えないように考えられています。
本機の当初ビルダーさんはそのへんを無視して、
つながってりゃいいんでしょ的に配線したのかな。 で、さらに実体配線図をよく見てみると、むむむ、 これって間違えていませんか? 図のとおりに配線すると、 スピーカから音は出てこないと思うんですけれど。 ひょっとして奮発して高いお金を出して買った初めての通信型受信機キット、 説明の通りに組み立てたけれどどうしても音が出なくて泣いちゃった人って結構いたんじゃないのかな? いまのようにネットに知恵を求めることもできない1961年、 まわりに詳しい人がいなかったら本当に途方に暮れてしまったかもしれませんね。 スピーカ配線を引き直したら、受信音がすっきりした気がします。 まあプラセボでしょうね。 でも、自分で考えて、性能が必ず良くなるように引き直した配線です。 いい音がするんですよ。本当に。 2025-10-15 スピーカ配線引き直し |
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局発信号の漏れを外部の受信機で受信する方法を使って、局発周波数のドリフトを測定してみました。 幣ラボではなぜか15MHz受信時のドリフトを測るのが慣例なのですが、 CRV-1では15MHzはB Bandの上端とC Bandの下端で受信できます。 なのでB Band 使用時とC Band使用時とで測定してみました。 結果は右図。 C Band下端のほうがドリフトは少ないことがわかります。 これはいちばん高い周波数をカバーするC Bandのほうが安定しているということではなくて、 メインダイヤル下端のほうが上端よりも安定しているということです。 15MHzの国際放送を聞くなら、 1時間ウォームアップしておけばその後の変動は1kHz程度で済みそうです。 14MHzのアマチュアバンドはB Bandの上端近くで受信することになるのでドリフトには不利でしょうね。 それでも1時間ちょっとウォームアップしておけば1kHz程度の安定性は得られそうです。 バンド上端ではゆっくりしたドリフトはなめらかではなくて、わずかな階段状の変化を示します。 このためFT8受信時はWSJT-Xのドップラーシフト補正機能は効かず、デコードは絶望的です。 2025-10-16 局発周波数ドリフトを測定 |
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トグルスイッチに改造されたモードスイッチはどうでもいいやと思ったのですが、
組み上げて使ってみるとスイッチの接触不良が気になります。
このスイッチはSSB/CW受信時にAGCラインをグラウンドに落とし、
またBFO発振管にB電源を供給します。
AM受信時はどちらの接点も開なので問題ないのですが、
SSB/CWを受信しようとするととたんに気になってしまいます。 在庫パーツをみたらロータリースイッチはジャンク機器サルベージ品が多数ありました。 ただしどれも4ポジション。 でもよく見たら計測器用の高級なスイッチで、 ぜんぶで11ポジションあるのですが、 ストッパの役目を果たしているちいさなネジの取付位置を変えることで任意のポジション数に変更できるのです。 すごいなこれ。 なので、2回路品をひとつ使い、 接点の清掃とシャフトの注油そして3ポジションへの変更を行ってCRV-1に取りつけました。 |
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交換したスイッチの効果は明らか、
BFOポジションが安定して使えます。
しばらく内蔵BFOで、たまたま本日行われていたRTTYコンテストを受信します。
局発の周波数ふらつきは明らかですが、
デコードプログラムがマーク・スペース周波数を自動的に追従してくれるので、
ひとしきりRTTYを楽しめました。
ただし選択度は絶対的に不足で、
逆サイドバンドが聞こえてしまったりで、
実用性は低いです。 このCRV-1の個体を入手したときに付いていたつまみのひとつが出てきて、 ルックスもすっきりしました。 バンドセレクタは操作に力が必要なので、 ちょっとだけ大きいつまみにしておくのは都合が良いです。 取りついていたトグルスイッチは分解可能で、内部を清掃してみましたが、接触不良は回復しません。 これは使用禁止だな。 2025-10-18 モードスイッチ改造を復旧 |
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