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Sony FX-402A

Portable TV/Radio Cassette Recorder
(1978)





こんなの欲しかった

    大学時代に友人から貰いうけた壊れかけのソニー・ジャッカルは縦置きボックススタイルで、 車載して野宿旅行時に使っていたりしました。 しかし正直に言うと、リサイクルショップでこれを見つけるまで、 FX-402Aというモデルの存在は知りませんでした。

    いよいよ来週PSE施行という日曜日に小さなリサイクルショップで見つけたこれは、 それまでの価格から大幅値下げされていました。 もともとの値段はとても買う気にならなかったでしょうから、 これはPSE騒ぎの恩恵を受けたといえます。

    いわゆるラジカセスタイルにテレビを組み込んだFX-402Aは、品のよいスタイルと色使いであり、 ソニーお得意のムービング フィルム ダイヤル、しかもラジオは短波付き! 私は発売されてから28年後に一目ぼれしてしまった有様です。

テレビの修理は

    いままでテレビの修理はというと、 中学生の頃にすごく古い真空管テレビを親戚からもらい、 ボケた水平偏向管を交換して再調整し使っていた、 という程度です。 もしこのリサイクル屋上がりのテレビが壊れていたら楽しいチャレンジになりそう。 しかし、付属していた純正ACアダプタをつないで電源を入れてみると、 各コントロールを何べんか動かして接触不良を解消し、 背面の同期調整をとっただけでテレビもラジオもカセットも動作し始めました。 ラッキーというか残念というか・・・

    機構的な欠点は、ロッドアンテナを格納固定するプラスチックの爪が折れてしまっていることと、 AFC/LIGHTレバーの欠損。 実用性を大きく損なうものではありません。 フィルムダイヤル目盛はテレビもラジオも狂いが出ていますので、 再調整したいところ。 またこのダイヤル機構の動きには多少渋さが出てしまっています。 いずれにせよ軽整備で復旧できるでしょう。

    地上波テレビの放送停止の日も近づいてきたことだし、 その日以降も使えるように、 ビデオ入力端子を取り出せたら便利でしょう。 回路図なしでできるかな?


実受信ch ダイヤル表示ch(約)
48 42
50 45
52 47
54 49
56 51
58 53
60 55
62 60
いらんことを

    電源スイッチはテレビとラジオの切り替えで、 それぞれの回路の電源をON-OFFするだけでなくオーディオアンプへの入力の切り替えも行っている様子。 このスイッチの接触不良は相変わらずあります。 そこでキャビネットを開け、セーフティ ウォッシュを一吹き、といきます。 背面カバーのスクリューを緩めると、カバーが上下に割れました。 この開けやすさはソニーらしくないなあ。

    で、テレビのバンド切り替え、ラジオのバンド切り替えそれに電源スイッチにセーフティ ウォッシュを吹きました。 ところが・・・洗浄液がノズルから垂れて、テレビ側のダイヤル フィルムにかかってしまったのです!! あわててティッシュでふき取ろうとしたのがいけなかった・・・ あわれ黒い色が溶けて、みっともなく白くなってしまいました。 余計なことをしてしまった・・・。 ハナタレ小僧だった頃は、こんなときばーちゃんに「またいらんことして!」とよく怒られたっけなあ。

    セーフティ ウォッシュを使った後にラジオの受信がうまく行かなくなりましたが、 これはスイッチ内部でしばらく蒸発しのこりの液体が残ってしまったため。

    フィルムダイヤルの狂いは簡単には直らず、 またダイヤルの操作感覚はかなり悪いものですが、 これを直すのは相当な根気が要りそう。

    テレビの垂直同期・水平同期調整は背面(普通のラジカセなら底面と呼ぶべき)にあり、 簡単に調整できますが、 本機は画面が右上がりになってしまっています。 トレース・ローテーションを調整するにはどうすればいいのかなあ?

2006-04-15 FX-402Aでしばらくテレビを楽しむ





> 次の作業・・・ 日章工業NP-101安定化電源装置



(ここで17年間のブランク)


アナログ放送が終わっちゃった

    ひさしぶりにFX-402Aを使ってみたくなったものの、 アナログ地上波テレビ放送はとっくに終わってしまいました。 RF出力でテレビにつなげられるビデオデッキを引っ張り出してみたものの、 どういうわけかうまくテレビRF信号が出てくれません。 調べてみると、 NTSCコンポジットカラー信号とステレオオーディオ信号からテレビRFを作ってくれるモジュレータが安く出回っています。 この手の製品はそのうちなくなってしまうだろうから、 1個買っておこう。





    モジュレータの設定はちょっとぱかり手間はかかるもののトラブルはなく、 しっかりと画像も音声も得られました。 うーん、この小さいモノクロ画面で観るテレビは味わいあるなあ。

    電源スイッチを入れてから画像が出るまで早いのも好感が持てます。

2023-08-04 RFモジュレータでテレビを見る



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2号機!

    ICF-5500 のダイヤル渋りが治っていい感じに短波を楽しめています。 で、ふと思い出してFX-402Aで短波を聞いてみたら、 おや? ラジカセのラジオなんてどうせおまけみたいなもんだろと思っていたのですが、 この機械のラジオはひょっとしてスカイセンサー5500と同等か、 下手したら5500以上のいい感じで聞こえているんじゃないかな? FX-402Aはカセットも壊れたままだし、 整備の続きをやってあげようかな。

    そう思っていたら、 程度の良くないFX-402Aがジャンク扱いで出ていましたので、 部品取りとして購入。

2025-02-13 FX-402A 2号機 入手




粗い修理

    2号機の現状は、まったく電源入らず。 部品取りにするつもりですから電気的にはどんな状況でもまあ構わないのですが、 直せるものなら直してやりたいし、 どこがどう壊れているのかは調べておくべき。

    2号機のリヤパネルを固定している4本のねじのうち3本は失われ、 1本は少し太めのねじに交換され、 また2本は筐体側面から無理やりセルフタップねじを打ち込む方法で固定されていました。 やり方からしてかなり粗野な手にわたってしまったようです。 これは用心してかかるべきだな。





    電源入らずの原因は、ターミナルボード上に実装されている1.6Aヒューズがブローしていたためでした。 ブローしたヒューズをショートする格好で緑色のビニール線でジャンプが入っていましたが、 それもビニール線の芯線をヒューズとヒューズを覆うラバーチューブの間に挟み込むという素人細工だったので、 十分に導通が取れず、という体たらくでした。

    ヒューズをバイパスし、電流リミッタ付き電源装置で動作させてみると、 ラジオもテレビも動作し始めました。 ラジオ時の全電流は60mA、テレビ時でも350mAといったところで、 ヒューズを飛ばしてしまうほどの異常は確認されず。 ヒューズが飛んだのは、おそらく電源逆接によるものでしょう。

    というわけで、オンボードヒューズを2Aの新品ヒューズに交換し、 各部を清掃しただけでテレビもラジオも動作し始めました。






フィルムダイヤルのズレ

    FX-402Aのダイヤル減速機構。 テレビもラジオも糸掛けです。 テレビはポテンショメータを、 ラジオはチューニングつまみ軸と直行しているバリコンホイールを回します。

    糸掛けは複数個所で糸を擦る部分があり、 適度な摩擦を発生させて機器持ち運び時にダイヤルがずれないようにしていますが、 短波放送を選局するときはこのダイヤルの抵抗はダイヤルフィーリングを悪くするとともにバックラッシュの原因にもなり、 ポータブル機の難しいところですね。





    1号機と同様、2号機もフィルムダイヤルはラジオ/テレビともにはっきりとずれていました。 ほかの方も本機FX-402Aのダイヤルずれを報告していますから、 この機種はどれもこういうものなのでしょう。 でも経時劣化でずれるとして、どこがどうに変化するのかなあ。

    2号機からのドナーパーツの一つ、 テレビ用のフィルムダイヤルモジュールが取り外せました。 ふー、神経使うよ。

2025-02-15 フィルムダイヤルモジュール取り外し





    2号機のテープトランスポート。 メインベルトが見当たりません。 前オーナーが開けたときに切れたベルトを除去したのでしょうね。

    スタジオ1980 よりも小さい筐体にテレビを組み込むために、 ミスター・ジャッカルの中身はとても高密度になっています。 テープトランスポートの工夫も見もの。 サーボモータは小さく、 そのモータスピンドル軸はキャプスタンフライホイール軸とは90度傾いていており、 ゴムベルトで直交する回転軸間で伝動しています。

2025-02-15 メインドライブベルトが失われている





グアムからの放送

    ひきつづきバラバラなFX-402A 2号機で KTWR フレンドシップラジオを聞きます。 局発の漏れ信号をICOM IC-706MK2GMで受信し、10.430MHzにゼロビートをとって一発選局。 けっこういい感じで聞こえています。 今夜のKTWR/フレンドシップラジオはすこし弱いですが、 時間がたつにつれ強くなってきました。



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AFCレバー

    次はAFC/LIGHTレバーを2号機から取り外し。 取りついている仕組みがわからず大汗かきましたが、 どうにか破損させずに取り外すことができました。 いやー壊さないで良かった。 2号機はこのレバー欲しさに買ったようなものですから。

    Sony FX-402AのAFCスイッチはダイヤルライトスイッチを兼ねていて、 単一の接点をレバーでモーメンタリONさせます。 レバーを押し下げている間だけダイヤル照明が点灯し、その間はAFCが切れる仕組みです。 理にかなったアイデアと言えますね。 ただし操作感は良くありません。

2025-02-25 2号機からAFCレバー取り外し





今回はここまで

    2号機から取り外したテレビ用フィルムダイヤルモジュールとAFCスイッチを1号機に移植しました。 1号機はこれで外観上の欠損は無し。

2025-03-06 1号機 テレビフィルムダイヤル交換 AFCスイッチ取り付け




    1号機のテレビフィルムダイヤルモジュールを2号機に取り付け。 ラジオのダイヤルずれは修復できました。

    2号機は新品ベルトを取り付けてカセットも動作開始したものの、 フラッタが酷いです。 当初オーナーはピンチローラはたぶん一度もクリーニングしなかったらしく、 汚れが酷かったです。 いっしょうけんめい清掃したものの、フラッタの酷さはここではないらしく、 大差なし。

    これ以上は追わず、今回はいったんここで終了。 ケース組み上げ ただし締め付けネジは再利用しないで仮合わせのみ。

2025-03-06 2号機 組み戻し





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